研究課題/領域番号 |
04650735
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
小倉 興太郎 山口大学, 工学部, 教授 (40035077)
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研究分担者 |
矢野 潤 山口大学, 工学部, 助手 (10200552)
長岡 勉 山口大学, 工学部, 助教授 (00172510)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 有機塩素系溶剤 / フロン / 四塩化炭素 / クロロホルム / オゾン層 / 光分解 / 捕捉反応 |
研究概要 |
1.不燃性で、毒性の少ない有機塩素系溶剤(フロン、四塩化炭素、クロロホルム、パークロロエチレンなど)は化学的に安定であるために対流圏では分解されず、成層圏まで到達し、そこで紫外光によって分解され、塩素原子を放出する。ハロゲン原子は成層圏でオゾン層を接触的に破壊する。オゾンは短波長の光を吸収するが、オゾン層の破壊によって地表での有害紫外線の増強が懸念されている。現在、これらの化合物に替わる溶剤の開発が進められているが、因難を極めている。本研究では、有機塩素系溶剤の完全無害化プロセスを確立し、少なくとも閉鎖系では使用可能にすることを目的とした。 2.有機塩素系溶剤を光反応セル(パイレックス製、光源:低圧水銀ランプ)中で酸素と水蒸気の存在下で分解し、発生する含塩素活性種を充填カラム内の金属粉末と反応させて金属塩とし、含炭素活性種を炭酸ガスに変換した。反応は閉鎖循環系で行った。気相成分はガスクロによって、金属に捕捉された塩素は酸に溶解後イオン選択性電極で定量した。 3.捕捉剤として種々の遷移金属(鉄、コバルト、ニッケン、銅、亜鉛、マンガン、バナジウム、チタン、クロム)の粉末を用い、光分解によって発生した活性種を捕捉した。最適条件では、20Wの低圧水銀ランプを30分点灯すると気相中のハロゲンは完全に消失し、CO_2のみが検出された。フロンの変換率は100%であった。金属による活性種の捕捉は、金属の酸化反応によって誘発された。つまり、これは金属の酸化とC1_2やOC1_2などの活性種の還元から成るレドックス反応である。金属による捕捉効果はその表面の活性に依存し、例えばSiO_2上に分散した金属による捕捉効果が最高であった。
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