研究課題/領域番号 |
04650741
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
瀬川 幸一 上智大学, 理工学部, 教授 (60053675)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | メチルアミン合成 / 形状選択性 / 細孔径制御 / モルデナイト / 四塩化ケイ素処理 / 外表面処理 / シャバサイト / TPAB処理 |
研究概要 |
メチルアミン(MA)はメタノールとアンモニアから固体酸触媒を用い合成されている。反応の主生成物はトリメチルアミン(TMA)であるが、工業的にはモノ、ジメチルアミン(MMA、DMA)の需要が高い。そこで限られた空間を有するゼオライトを触媒として利用し、分子径の大きいTMAの生成を抑制することを試みた。MA合成は常圧流通系反応器を用いて行い、各種触媒の活性及び選択性を検討した。試みたゼオライトの中で、不十分ながらもTMAの抑制効果のあったモルデナイトに着目し、四塩化ケイ素処理した触媒を調製した。この触媒はTMAの生成を著しく抑制でき、かつ高活性であった。真空天秤を用い、MA類、アンモニア等の各種触媒に対する吸着特性を検討した。その結果、調製した触媒に対してTMAは全く吸着せず、細孔径制御がなされており、その細孔径はDMAの分子径(4.9A)とほぼ等しいと推測した。四塩化ケイ素処理した触媒に対し、^<29>Si-^<27>Al-MASNMRやXPSを用い構造解析を行った。これらから脱アルミ等の骨格構造の変化は極わずかであり、外表面上にSiO_2層が析出したことが示唆された。TMAの抑制がなされたのは、モルデナイトの細孔内の酸点は保持されたまま、外表面上の酸点が失われSiO_2層が析出し細孔径が減少したためと考えた。またTMAの分子径よりも十分に細孔径の小さいシャバサイトを触媒としてもTMAが生成したので、反応において外表面酸点の寄与が大きいものと考えた。そこでシャバサイトにテトラプロピルアンモニウムブロミド(TPAB)処理を行い、外表面を不活性化した触媒を調製した。その結果TMAの生成を大きく抑制することができ、MMA DMAの選択性が著しく向上した。以上より、細孔径及び外表面酸点を制御させることで形状選択性が発現し、MMA、DMAの選択性を向上させることが可能である。今後はTPAB処理した触媒について構造解析、吸着実験等を行い、触媒としての知見を得る予定である。
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