研究課題/領域番号 |
04650752
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
加部 利明 東京農工大学, 工学部, 教授 (50092482)
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研究分担者 |
石原 篤 東京農工大学, 工学部, 助手 (60212908)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ラジオアイソトープレーサー法 / 硫黄35 / モリブデナアルミナ / 水素化脱硫反応 / ジベンゾチオフェン / 高圧流通式反応装置 / 液体シンテレーション / 反応機構 |
研究概要 |
脱硫反応中における硫黄の挙動を明らかにするために35SでラベルしたDBTを用いた水素化脱硫反応について検討した。^<32>S-DBTの反応が定常活性に達した後、^<32>S-DBTを^<35>S-DBTに切り替え、反応管出口において回収される^<35>S-DBT及び35S-H2Sの放射能量の経時変化を追跡した。MoO_3/Al_2O_3を用い360℃で反応を行った場合、^<35>S-DBT及び^<35>S-H_2Sの放射能量は時間とともに増加するが^<35>S-DBTの方が^<35>S-H_2Sより速く定常に達した。^<35>S-DBT放射能量は直ちに定常値に達し、そのタイムラグは反応温度に依存しないのに対して、^<35>S-H_2Sの放射能量は、温度が低下するに従い定常に達するまでにより多くの時間を要した。^<35>S-H_2Sの放射能の値は触媒表面上の35Sの濃度を反映している。^<35>S-DBTから^<32>S-DBTに切り替えた後の^<35>S-H_2Sの値の減少速度を一次プロットすると直線関係が得られた。この直線の傾きはH_2Sの脱離の速度定数を表している。^<35>S-H_2Sの脱離速度の減少過程は触媒表面上の^<35>Sが^<32>Sに置き変る過程である。逆に^<35>S-H_2Sの脱離速度の増加過程は^<32>Sが^<35>Sに置き変る過程である。従って、この増加過程の^<35>S-H_2Sの脱離速度と定常時に検出される^<35>S-H_2Sの脱離速度との差を同様に一次プロットすると同様な直線関係が得られた。各温度における^<35>S-H_2Sの脱離速度の減少過程の一次プロットより各温度における^<35>S-H_2S脱離の速度定数を決定できた。定常時の触媒上の^<32>Sに対する^<35>Sの濃度は原料の^<35>S-DBT中の32Sに対する^<35>Sの濃度と等しいと仮定できるので触媒上に蓄積される^<35>Sの量より触媒中の移動可能な硫黄量を計算できた。触媒中の移動可能な硫黄量は温度とともに増加し、脱硫触媒中の活性点の量が温度とともに増加した。このように^<35>Sトレーサー法を用いることによりこれまで知られていなかった脱硫触媒上の硫黄の挙動が明かとなった。
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