研究課題/領域番号 |
04650755
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹内 賢一 京都大学, 工学部, 教授 (50026358)
|
研究分担者 |
北川 敏一 京都大学, 工学部, 助手 (20183791)
木下 知己 京都大学, 工学部, 助手 (10026289)
小松 紘一 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70026243)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 結合経由軌道相互作用 / アダマンチル化合物 / ソルボリシス / 反応速度 / 立体ひずみ / 立体同位体効果 |
研究概要 |
1.結合経由軌道相互作用の研究 p-CH_3、H、m-Clまたはp-CF_3置換基をもつ4-オキソ-2-アリール-2-アダマンチルトリフルオロアセテートのエカトリアル(eq)体とアキシアル(ax)体を新たに合成し、トリフルオロエタノール中、25゚Cでのソルボリシス速度と生成物を調べた。eq/ax速度比は上記置換基の順に、O.46、0.61、0.87、1.1と増大したことから、eq型p-CH_3体の遷移状態でほとんど消滅していた軌道相互作用が、カチオンが不安定になるにつれて増大することが明らかになった。生体物エーテルeq/ax比も同じ順に増大し、生成物を生じる段階にもこの相互作用があることが分かった。一方、3.5-(CF_3)_2置換の場合には生成物は複雑で、溶媒がカルボニル基へ付加した後ソルボリシスを行う副反応が存在する可能性が示唆された。2.前面歪みによる反応速度促進の定量化 (Z)-および(E)-2-エチリデン-1-アダマンチルメシレートおよびヨウ化物の骨格メチル基としてCH_3とCD_3をもつものを合成し、トリフルオロエタノール中でのソルボリシス速度を比較した。メシレートのZ/E速度比(25゚C)はCH_3体では117、CD_3体では116であり、同位体効果は僅少であった。一方、ヨウ化物では、この比(50゚C)はCH_3体で5413、CD_3体で5040となり、立体同位体効果が明らかに表れた。この結果は先にわれわれが提案した前面歪みによるイオン化促進を強く支持する。さらに、メチル基をフェニル基に代えたメシレートでは、Z/E速度比(25゚C)は41であり、フェニル基のパイ電子雲による立体効果がメチル基よりも小さいことが実験的に証明された。
|