研究課題/領域番号 |
04650777
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
西口 毅 山口大学, 教養部, 教授 (50023263)
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研究分担者 |
藤崎 静男 山口大学, 工学部, 助教授 (60035045)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 選択的反応 / 選択的保護 / 選択的エステル化反応 / イオン交換樹脂 / 固体表面 / 吸着 / 表面 / エステル交換反応 |
研究概要 |
われわれはシリカゲル担持硫酸塩を触媒とする対称ジオールの選択的モノエステル化について報告してきた。シリカゲル担持硫酸塩は容易に調製できるものではあるが、市販の試薬が使えればさらによい。強酸型イオン交換樹脂を触媒とし、溶媒兼反応剤としてエステル/アルカン混合物を用いる反応系において、エステル交換反応によりジオールのエステル化を試み、多くのジオールが高い選択率でモノエステル化されることを見出した。樹脂は架橋度が低く粒径が小さいほど活性、選択性共に高い傾向を示す。生成物の収率の経時変化を示を見ると、シリカゲル担持触媒を用いた場合とは異なり、モノエステルの収率の増加が止まってもジエステルの収率はそれほど急速には増加しない。このことは、触媒の基質への親和性に飽和性がないことと、選択性がそれ以外の要因によって現れることを示唆している。事実、ジオールを含まない系でのモノエステルからのジエステル生成速度は、ジオールからのモノエステル生成速度の3.5分の1に過ぎなかった。このことは反応の停止点をそれほど気にしなくてよいことを意味しており、この反応の実用性を高めるものである。選択性が現れる機構としては、次のように考えられる。すなわち、(1)強酸性イオン交換樹脂には50‐80%の水分が含まれているので、樹脂表面には強酸性の水層が形成されている。(2)その水層と非水溶媒との間で基質の溶解平衡(分配平衡)が成立し、ジオールがモノエステルより高い分配係数で水層に分配され優先的に反応する。(3)生成したモノエステルは直ちに周囲の触媒のない非水溶媒層に移行する。 金属塩を触媒とする場合にも予想を越える高い選択性が見られた。硫酸塩だけの場合は触媒の失活が起こる。そのため、触媒量が適当なら、長時間反応させても選択率が低下しないという長所がある。
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