研究課題/領域番号 |
04650781
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
荒井 貞夫 (新井 貞夫) 東京都立大学, 工学部, 助教授 (80117689)
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研究分担者 |
宮野 浩行 東京都立大学, 工学部, 助手 (10209926)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ヘリセン / アゾニア芳香族 / キノリジニウム塩 / 光閉環反応 |
研究概要 |
非平面芳香族炭化水素であるヘリセンのヘリシティーを利用した機能開発に関する基礎的知見を得るため、ヘリセンの橋頭位炭素を四級窒素で置き換えた新規イオン化合物アゾニアヘリセン類の構築を行った。アゾニアヘリセン類の合成法として我々がこれまでに確立している3つのタイプの光閉環反応を用いた。すなわち、1-スチリルピリジニウム塩の光閉環(タイプA)、スチリルキノリジニウム塩の光閉環(タイプB)、スチリルピリジンの求核的光閉環(タイプC)を利用する反応である。まずタイプAの光閉環によりメチル置換キノリジニウム塩、ベンゾ[a]キノリジニウム塩、ナフトキノリジニウム塩を合成した。スチリル体を用いるタイプBの光閉環反応はヘリセン類の合成に利用できる。そこで前駆体であるスチリルキノリジニウム塩の合成反応を詳細に検討し、Knoevenagel縮合反応をアセトニトリル中で行うことにより、高収率でスチリル体を得ることができた。このスチリル体のタイプBの光閉環で8a-アゾニア[6]ヘリセン類の合成に成功した。次にこれらヘリセン類の異性体である四級窒素を湾部橋頭位にもつ16c-アゾニア[6]ヘリセン類の合成を行った。ベンゾ[h]キノリンあるいは1,10-フェナントロリンをトルエン中メチルリチウムと反応させることにより、それぞれのモノメチル体を得た。これを1-クロロ-2-ホルミルナフタレンと縮合反応させオレフィン体を合成した。2-[2-(2-クロロナフチル)ビニル]-ベンゾ[h]キノリンあるいは-1,10-フェナントロリンのアセトニトリル溶液に光照射し、タイプCの光閉環反応によりヘリックスの湾部橋頭位に四級窒素を持つ16c-アゾニア[6]ヘリセン類の合成に初めて成功した。新規に合成できたアゾニア[6]ヘリセン類は対応する炭化水素[6]ヘリセンより還元されやすいことが分かった。このように従来合成例のないヘリックスの外側および内側にそれぞれ四級窒素を持つ2種のカチオン型ヘリセン骨格の構築法を確立できた。
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