研究課題/領域番号 |
04650821
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山本 隆一 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (10016743)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ポリアニリン / 酸化還元挙動 / 紫外可視吸収スペクトル / 動力学的解析 / 等吸収点 / 擬一次反応 |
研究概要 |
ポリアニリン(PAn)は酸化あるいは還元状態において、それぞれエメラルディン型ポリアニリン(PEM)、ロイコエメラルディン型ポリアニリン(PLM)という異なった化学構造をとることが知られている。しかしながら、PLM(] SY.tautm. [)PEMの酸化還元反応に伴う構造変化に関して詳しい検討は行われていなかった。そこで、PAnの溶液中における酸化還元挙動を紫外可視吸収スペクトルを用いて動力学的手法により解析を行った。 すなわち、N-メチルピロリドン(NMP)溶液中PLMからPEMへの酸素による酸化反応は紫外可視吸収スペクトルにおいて等吸収点を示しながら進行し、PLMの濃度に対して擬一次反応であることがわかった。そして、本酸化反応の活性化エネルギーは50.4kJ/molであった。また、不活性ガス下、酸化剤として過酸化水素(H_2O_2)を用いた場合、H_2O_2だけでは進行困難であった酸化反応が、FeCl_3、CuCl_2などの遷移金属化合物を触媒量共存させた系においては速やかに進行することがわかった。さらに、H_2O_2および触媒の濃度が反応速度に及ぼす影響を明かにし、本酸化反応はハイドロキシルラジカル(・OH)によるPLMの水素引き抜きにより進行していることがわかり、酸化重合の基礎反応が解明された。 一方、PEMからPLMへの還元反応をNMP溶液中還元剤としてN_2H_4・H_20、(C_2H_5)_2NOH、NaBH_4、Na_2S_2O_4を用いて行った。いずれの還元剤を用いた場合も、その還元反応は紫外可視吸収スペクトルにおいて等吸収点を示しながら進行し、PEMの濃度に対して擬一次反応であることがわかった。また、還元反応の反応速度は用いた還元剤の半波電位が大きな負の値をとるものほど大きくなっていることが明かとなった。
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