研究課題/領域番号 |
04650824
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
瀬 和則 福井大学, 工学部, 助教授 (00154633)
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研究分担者 |
大矢 精治 福井大学, 工学部, 講師 (50020201)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 末端重合性高分子 / マクロモノマー / 平衡重合 / リビングアニオン重合 / 単独重合 / 分岐高分子 / α-メチルスチレン / p-クロロ-α-メチルスチレン |
研究概要 |
α-メチルスチレン基を片末端に持つ末端重合性高分子の新規な単独平衡アニオン重合法を開発し、それを用いて構造が精密に制御された分岐高分子を合成するための基礎的研究を行った。 1.末端重合性高分子の合成: α-メチルスチレンを高真空下、ブレークシール法でアニオン重合し、成長末端をp-クロロ-α-メチルスチレンで停止させて、分子量分布の目安であるMw/Mn値が1.10以下であり、数平均分子量Mnが2000から8000までの数種類の末端重合性高分子(マクロモノマー)を合成することに成功した。 2.単独平衡アニオン重合: 1で得られる試料のテトラヒドロフラン溶液に高真空下、n-ブチルリチウムを加え、-10℃で20分間保持して、系内に残存する不純物をn-ブチルリチウムで精製した。その後、この溶液を天井温度以下である-78℃に下げて、末端重合性高分子の単独成長反応を行った。重合溶液はカルバニオンに特徴的な赤色を示し、この色はメタノールを添加すると瞬時に消えたことより、末端重合性高分子がリビングアニオン重合していることを初めて確認した。 3.分岐高分子の合成と分子特性化: 2の手法により合成した単独重合体を低角度光散乱光度計付きゲルパーミネーションクロマトグラフィGPCで測定して、重量平均分子量Mwを測定したところ、Mwが1-50x10^3の試料を得、GPCより求めた分子量との比較より、単独重合体は星型高分子であることを確認した。仕込みモノマー量と開始剤量から計算できる計算分子量とMwとの比より開始剤効率を求めたところ、その値は0.1-0.6であり、開始剤効率は重合容器の内壁の表面と末端重合性高分子粉末の表面に付着している不純物の量により定量的に記述でき、新規重合法の開発に成功した。
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