研究課題/領域番号 |
04650828
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中條 善樹 京都大学, 工学部, 講師 (70144128)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 環境応答性高分子 / 金属錯体形成 / ポリオキシエチレン / ポリオキサゾリン / ポリスチレン / スターポリマー / グラフトポリマー / ゲル |
研究概要 |
光、熱、酸化還元などの外部環境に応答する高分子の開発は、新規機能性材料として重要である。そこで、高分子の『結合点』として遷移金属と配位子との錯体形成を利用し、種々のスターポリマー、グラフト、ブロックポリマー、あるいはゲルの分子設計および合成を行った。このような高分子設計によれば、その『結合点』の遷移金属錯体の特性により、あるものは光で、またあるものは熱で、その結合部が可逆的についたり切れたりすると考えられる。すなわち、外部条件の変化により高分子の構造が変化する、いわゆる環境応答性の高分子材料が期待できる。 プレポリマーとしては、リビング重合を利用して分子量のそろった高分子が合成できるポリオキサゾリン、ポリオキシエチレン、ポリスチレンを用い、その側鎖あるいは末端に遷移金属との配位が可能な配位子としてビピリジル基を導入した。その後、これらプレポリマーと遷移金属との錯体形成を利用して、種々の構造のポリマーを合成した。プレポリマーとして片末端に配位子をもつ高分子を使えばスターポリマーが、また、側鎖に配位子をもつ高分子を使えばゲルあるいはグラフトポリマーが、さらに、両末端に配位子を有する、いわゆるテレケリックスを用いれば、ブロックポリマーあるいはゲルが合成できた。 このように、ポリオキサゾリンやポリオキシエチレン、ポリスチレンに導入したビピリジル配位子と金属塩との錯体形成により得られる種々の構造の高分子は、結合点の金属錯体の特性により、ある場合には安定な錯体となり、またある場合には、配位子交換反応によって解離すると考えられる。今後、ゲル以外の種々のポリマーについても同様の検討を行えば、高分子金属錯体として動的特性をうまく利用した、いわゆる外部刺激に対して可逆的に応答する機能性材料の設計が可能になると思われる。
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