研究課題/領域番号 |
04650842
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
太田口 和久 東京工業大学, 工学部・化学工学科, 助教授 (20134819)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | モノエタノールアミン / Clostridium formicoaceticum / 生分解 / バイオリアクター / MEAプロセス / 地球環境問題 |
研究概要 |
火力発電所から排出される二酸化炭素の量は極めて大きく、100万KW級のプラントからの排出量は500t/h以上に及んでいる。地球温暖化を回避するためには二酸化炭素の排出削減を具体化することが不可欠であるが、現時点では、モノエタノールアミン(MEA)を化学吸収液とするMEAプロセスが最も有望とされている。このプロセスを実現する上での難点の一つは、酸性ガス吸収速度が低下したMEA廃棄物の処理問題である。本研究では、大腸菌によってMEAを大量に生分解し、さらに処理液中に残存する未処理MEAを嫌気性菌Clostridium formicoaceticumによって二次処理するバイオリアクターの設計指針について検討した。 本実験では、Bradbeerおよび0'BrienのClostridium培地を参考としMEA、13種の無機塩、7種のビタミン、酵母エキス、フラタトースから成る培地を作成し使用した。培養温度は37℃、反応時間は43hとした。培養条件の至適化を計るために、MEAの分解量を初期MEA量で割ることによりMEAの生分解率を新たに定義し評価した。 炭素源としてのフラクトースをグルコース、グリセロールに変更すると生分解率は低下した。生分解率を最大とするpH値は6.5〜7.5であるが、これはMEAの生分解用酵素であるエタノールアミンアンモニアリアーゼの至適pH値とほぼ一致していることが分った。菌体の増殖を促すために酵母エキスは不可欠であることが明らかとなった。但し、フラクトースを含む培地では酵母エキスの組成を0.2g/l程度にまで低減化できることが分った。MEAおよびフラクトースの初期濃度を変えて実験を行い生分解率を求めたところ、フラクトース濃度を増加しMEA濃度は低下させる程、生分解率は向上した。フラクトース10g/lおよびMEA0.5g/lとした場合に生分解率は最大となり値0.75が得られた。MEAを二次処理するバイオリアクターを設計する上での有用な指針が得られた。
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