研究課題/領域番号 |
04650848
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
稲垣 訓宏 静岡大学, 工学部, 教授 (30022015)
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研究分担者 |
田坂 茂 静岡大学, 工学部, 助教授 (10134793)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 分離膜 / 二酸化炭素 / プラズマポリマー / プラズマ重合 / シリコン化合物 / 溶解度 |
研究概要 |
本研究は、燃焼排ガスから二酸化炭素を分離濃縮する高分子膜を開発することを最終目標として、分離膜の設計のための基礎的知見を得ることを目的として行われたものである。この開発は、1)高分子膜によるガス透過は、膜表面へのガス分子の溶解と、それにつづく拡散過程によって進行すること。2)二酸化炭素の分子径が窒素分子のそれよりも大きいこと。を考慮して次の2つのコンセプトを立てた。 1)二酸化炭素分子の溶解性の富む膜素材を選ぶ。 2)二酸化炭素分子の拡散距離を短かくするよう、膜厚の薄い分離膜を選ぶ。 1、2のコンセプトを実現するため分離膜の作成法としてプラズマ重合法を採用し、シラン化合物をプラズマ重合の原料とした。分離膜への二酸化炭素の溶解度を測定するquartzcrystal microbalanceを自作し、プラズマポリマーに対する二酸化炭素の溶解度を測定した。 dimethyldimethoxysilane(DMDMOS)、decamethylcyclopentasiloxane(DMCPS)、tetramethyldisiloxane(TMDSO)からのプラズマポリマーに対する二酸化炭素の溶解度係数は、窒素の溶解度係数よりも大きく、二酸化炭素の選択的な溶解が起こる。この結果は、これらのシラン化合物からのプラズマポリマーが、コンセプト1を満足する分離膜素材であることを証明している。さらに、二酸化炭素の溶解度係数は、プラズマポリマーの化学構造、特にSi-(O-)_4のシラン部位と関係が深いことを見いだした。この結果をうけて、Si-(O-)_4のシラン部位の含有量が高いDMDMOSからのプラズマポリマーを多孔質基板(ミリポア)上に堆積した分離膜の二酸化炭素の分離特性を検討した。二酸化炭素と窒素の分離比(透過係)数比)は、0.8-0.9と二酸化炭素の選択分離を示していない。先の溶解度の結果とこの結果を総合すると、3種のシラン化合物からのプラズマポリマーは二酸化炭素の選択溶解が起こるものの、拡散速度が遅いため二酸化炭素の選択分離とならないことが判明した。 次に、二酸化炭素の拡散速度をはやめるためtetramethyldisiloxaneを原料とするプラズマポリマーを分離膜とした。このプラズマポリマーの二酸化炭素と窒素の分離比は4.4を示し、二酸化炭素の選択分離膜の開発に成功した。
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