研究課題/領域番号 |
04650867
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応工学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
寶田 恭之 (宝田 恭之) 群馬大学, 工学部, 助教授 (70154929)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 石炭 / 二酸化硫黄 / ガス化 / 触媒 / 速度 / 機構 / 表面活性点 / 硫黄回収 / 炭素 / 鉱物質 |
研究概要 |
石炭チャーとSO_2との反応を利用した高効率硫黄回収法の開発を目的として、褐炭から無煙炭まで幅広い炭化度の石炭から得られたチャーとのSO_2ガス、更に各種の触媒を石炭に添加した接触ガス化を行い、ガス化速度促進効果を比較検討した。実験には、炭化度の異なる9種類の石炭を用いた。また、鉱物質の影響を調べるため、10%の塩酸で脱灰処理を行った。更に、各種触媒の効果を調べるため、Yallourn炭を用いて触媒担持を行った。触媒担持には、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、硝酸鉄を用い、含浸法により、金属含有量0.3〜10wt%の担持試料を調製した。 熱天秤を用いて9種類の石炭チャーおよび各種触媒担持炭チャーのSO_2ガス化を行ったところ、全ての試料において、反応初期で重量が増加し、その後重量減少する特異的な反応プロファイルが認められた。重量増加量、重量増加速度、ガス化速度は、石炭種類、触媒種類、触媒担持量および反応温度によって依存した。ガス化速度は炭種に大きく依存し、炭化度の低い石炭チャーの反応速度が大きいことが分かった。石炭中の鉱物質は反応初期の重量増加およびガス化速度に影響を与え、いずれの炭種においても塩酸処理によってガス化速度は低下し、SO_2ガス化に対しても触媒効果を示すことが分かった。また、添加触媒によって、SO_2ガス化速度は促進された。なかでもK触媒の活性が極めて高かった。反応温度700℃の場合、ガス化速度はK担持量が3%までは担持量の増加にともなって著しく増加し、無触媒の場合に比べて15倍の速度を得ることが出来た。また、反応初期の重量増加は、チャー表面へSO_2の吸着および触媒の化学的形態の変化によるものと考えられた。触媒の化学的形態をX線回折によって調べたところ、K触媒担持炭ではK_2SO_4、Ca触媒担持炭ではCaSに由来する回折ピークが認められた。また、ガス化時には炭素表面に含酸素表面コンプレックスが形成され、しかもその量が触媒金属によって影響されることが明らかとなった。
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