研究課題/領域番号 |
04660014
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
作物
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三宅 博 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60134798)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 機能分化 / 光合成 / C_4植物 / 組織分化 / 免疫組織化学 / 免疫電子顕微鏡 / 葉緑体 |
研究概要 |
1.免疫組織化学および免疫電子顕微鏡の手法を検討した。光顕観察には、パラフィン切片を脱パラフィンした後抗体を処理し、R-フィコエリスリンで標識した二次抗体を反応させ、螢光顕微鏡でB励起にて観察する方法が最も有効であった。電顕観察には、グルタルアルデヒドで弱く固定した試料をLR White樹脂に包埋し、切片を抗体で処理した後、金コロイドで標識した二次抗体を処理する方法が最も有効であった。 2.NADP-ME型C_4植物のマツバボタンについて、諸細胞の葉緑体分化とRubiscoの蓄積の関係を、免疫電子顕微鏡法で観察した。その結果、葉の中心部の維管束は貯水細胞に取り囲まれ、明確なKranz構造を示さないにも関わらず、維管束のすぐ外側の貯水細胞の葉緑体ではグラナ形成の抑制とRubiscoの蓄積が起こり、維管束鞘葉緑体としての構造的・機能的分化が起こっているのに対し、二層目以降の貯水細胞の葉緑体ではグラナの形成とRubiscoの蓄積抑制が起こり、葉肉葉緑体的な構造的・機能的分化を遂げていることが明らかになった。 3.マツバボタンの縁色カルスと再分化過程のカルスについて、葉緑体構造とRubiscoの蓄積を観察したところ、カルスでは維管束に隣接する細胞でもグラナ形成が認められたが、再分化した茎葉では、維管束に隣接する細胞の葉緑体でのグラナ形成が抑制された。Rubiscoの蓄積はすべての葉緑体で認められ、葉肉葉緑体におけるRubiscoの蓄積抑制は明確でなかった。そこで植物体を無菌的に、ホルモンを含まない培地に移植し、カルス培養と同様の条件下で継代培養したところ、葉肉葉緑体にもRubiscoの蓄積が認められるようになった。 4.以上の結果より、C_4植物の構造と機能の分化には維管束が重要な役割を果たすが、カルスでは維管束からの制御が機能しないこと、光条件あるいは栄養条件が機能の分化に影響を及ぼすことが明らかになった。
|