研究概要 |
【圃場試験1992-1994】(1)収量は莢数と最も密接に関連し,莢数は一莢粒数,百粒重と負の相関があった.(2)莢数は花蕾数と正の相関があり,結莢率との関係は認められなかった.(3)一節当たり花蕾数のうち低次位は一花房当たり花蕾数の,高次位は一節当たり花房数の影響をそれぞれ受けていた. 【花器の分化・発育の追跡調査】(1)ステージは花房の着生節位による相違は小さく,花房次位により異なった.(2)1,2次花は開花始前に花蕾数が決まり,3次以上の花は開花始以降に花蕾数が決まるものと推定された.(3)莢の伸長と子実の肥大は開花の推移に比べ,次位間で同調的に進行した.これには,低次位では初期の生長が停滞することが影響しており,開花期以降の花器の発育と脱落における次位間の強弱は顕著ではなかった.(4)花芽は花房内の基部から頂部へと分化し,開花は基部から頂部へと進行した.(5)脱落は1次では基部から頂部へと移行した.(6)花房内花器の結莢率は基部で高く,頂部では著しく低く,花房による結莢率の変動が大きかった. 【ソース・シンクの切除実験】(1)主茎,分枝ともに葉切除により花蕾数が増加し,結莢率は主茎処理区と分枝葉処理区で著しく低下した.(2)葉切除によりNARは増加したが,CGRは対照区に比べて減少した.莢生長速度は分枝が主茎に比べて高く,分枝処理区で一様に低下した. 以上から,開花と花器脱落は独立的に進行し,中生品種の収量は花蕾数により決定されることが明らかとなった.花蕾数増加の要因である一花房当たり花蕾数は開花始前に,一節当たり花房数は開花始後に決定されると考えられた.また,LAIよりもNARが花蕾数の決定に影響すると考えられた.
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