研究課題/領域番号 |
04660044
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
奥 尚 東京大学, 農学部, 助手 (50201992)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | イネ科植物 / うどんこ病菌 / Erysiphe graminis / 分化型 / 交配 / 染色体 / パルスフィールド電気泳動 |
研究概要 |
イネ科植物うどんこ病菌:Erysiphe graminisには、寄生性の分化型が知られている。各分化型は、通常、各々の原寄主と同属の植物以外には寄生性を示さないが、分化型間で交配可能な組合せと交配が不可能な組合せが存在し、分化型には、生物学的に同種と考えられるものと、別種と考えられるものが存在する可能性がある。そこで、E.graminisの分化型間での交配の組合せについて詳細に検討した。その結果、各分化型は子のう殻および子のう胞子の形成の有無により、5群に類別された。即ち、1:tritici-secalis-agropyri、2:hordei、3:bromi、4:dactylidis、5:poaeである。このうち、4および5群では群内でも子のう殻形成は起こらなかったが、他の群内交配では子のう殻が形成された。4と5を除く各群および1群内の分化型間での交配は比較的容易であり、子のう胞子が得られ、病原性遺伝子の解析が可能であった。一方、群間交配で子のう殻が全く形成されないのは、3×4、3×5、および4×5の交配組合せであった。このことから、E.graminisの生殖には子のう殻形成と子のう胞子形成に関する少なくとも2遺伝子に変異が存在することが示され、5群の間には種分化が起こっていることが示唆された。このため、各群の分化型の染色体構造には変異が存在する可能性があり、パルスフィールド電気泳動での1群(triticiおよびsecalis)および2群(hordei)の染色体の分離法について検討した。各群の分生子を集め、直ちに細胞壁分解酵素Novozyme234で処理後、低融点アガロースに酵素処理分生子を包埋し、プロテアーゼK処理して試料を得、電圧150V、パルス時間70秒・15時間、次に120秒・12時間の泳動を0.5×TBE bufferで行った。2群(hordei)では不明瞭なバンドの他、明瞭な2本のバンドが特異的に検出されたが、1群(tritici、secalis)では不明瞭なバンドのみが観察され、染色体の分離には今だ技術的な問題が残された。
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