研究概要 |
1.リン固定能の大きい火山灰土壌でも適用可能なバイオマスリンの測定法を検討し、陰イオン交換膜(AEM)を用いた新たな方法を開発した(Soil Biology & Biochemistry in press)) 2.草地の肥培管理と土壌微生物バイオマスとの関連を検討し、草地の土壌微生物バイオマスC,N,P量は耕起区より不耕起区で、化学肥料区より堆肥投入区で高く、また栽培草種によって大きく異なり、マメ科草種優占区で高いことや、CやNおよびP供給量がバイオマスP量を大きく変動させうることなどを明らかとした。(Proceedings of the 15th World Congress of Soil Science,85-86(1994)) 3.草地土壌に^<32>Pの添加した後、添加有機物として、^<14>C-グルコース、^<14>C,^<32>P-ライグラスを加え、バイオマスC、Pや^<14>C,^<32>Pの比活性、放出CO_2などを測定し、バイオマスC、Pの代謝回転速度やプライミング効果に及ぼす添加有機物の影響を解析し、バイオマスのプライミング効果はグルコースとライグラス添加で同様に認められることや、バイオマスC、Pのみかけの代謝回転速度はグルコースよりライグラス添加でわずかに遅いが、いずれの場合もCよりPで2倍以上と速いことなどを明らかとした。(日本土壌肥料学会1995予定) 4.火山灰土壌における施与Pの利用率と土壌微生物バイオマスとの関係を土耕ポットと土壌培養試験で解析した結果、火山灰土壌においても鶏ふん堆肥や稲わらの添加はバイオマスPや植物による添加Pの回収率を著しく上昇させること、バイオマスPと添加Pの回収率とは高い正の相関を示すことなどから、バイオマスPの増加は火山灰土壌における施与Pの土壌固定を減少させ、利用率向上に大きく寄与することなどを明らかにした。(日本土壌肥料学会講演要旨集,40,38,1994)
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