研究課題/領域番号 |
04660078
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用生物化学・栄養化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田口 速男 東京大学, 農学部, 助手 (90188136)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | D-乳酸脱水素酵素 / 基質結合部位 / 触媒中心 / L-乳酸脱水素酵素 / アロステリック酵素 |
研究概要 |
(D-乳酸脱水素酵素の構造と機能)Lactobacillus plantarum D-乳酸脱水素酵素において、この酵素の属する脱水素酵素ファミリー酵素間で保存性の高い二残基のHis残基を、部位指定変異により他のアミノ酸に置換した変異型酵素を作製した。そしてそれらの触媒上の性質を検討した結果、本酵素のHis296がL-乳酸脱水素酵素におけるHis195に相当する役割を持つ、事実上の触媒残基であることが明らかになった。またこの酵素ファミリーの酵素間で保存されている唯一のArg残基であるArg235を他の残基に置換し検討したところ、この残基がL-乳酸脱水素酵素におけるArg171と相同な役割をもち、この残基のグアニジノ基が、基質の結合とその活性中心での正確な配向に重要な役割を持っていることが明らかになった。以上の結果よりD-型乳酸だ水素酵素はL-型酵素と一次構造上の相同性はなく、進化的に隔たった酵素であるにも関わらず、その基質結合と触媒の機構は極めて類似したものであることが示された。 (L-乳酸脱水素酵素のアロステリック特性)非アロステリック型酵素であるL.plantarumの酵素はアロステリック型であるL.casei酵素と高い一次構造上の相同性を示すが、活性化因子フルクトース二リン酸(FBP)結合に重要なHis188がAspに置換されている。そこでL.casei酵素のHis188をAspに置換した変異型酵素を作製し検討した。この変異型酵素はFBPに非感受性を示したが、マンガンに対する感受性を残していた。また野生型酵素と異なり、FBP非存在下でも微弱な活性を示したが、L.plantarum酵素のような完全な活性型ではなかった。この結果はL.plantarum酵素のHis188変異酵素の結果とあわせて、His188はFBPの結合には重要であるが、それを通じての活性制御には他の部位が関与していることを示している。現在おもに両者のキメラ酵素の作製を通じてこの部位の検討を行いつつある。
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