研究課題/領域番号 |
04660113
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・発酵学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長澤 透 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60115904)
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研究分担者 |
山根 恒夫 名古屋大学, 農学部, 教授 (70026102)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 次世代農薬 / 水酸化反応 / 脱水素酵素 / 6-ヒドロキシニコチン酸 |
研究概要 |
最近、微生物反応と有機合成の組合わせによる有用物質生産の試みが注目されている。なかでも微生物による水酸化反応は温和な条件下で極めて位置特異的に進む。最近報告された新殺虫剤イミダクロプリドのように、その構造的特徴として6-クロロ-3-ピリジルメチル基を有する一連の化合物は卓越した殺虫活性を有しており、次世代農薬の基本骨格としての6-クロロ-3-ピリジルメチル基の新合成法の開発が望まれている。しかし、化学合成法による本基本骨格の合成は容易ではない。そこで我々は微生物の水酸化反応により、ニコチン酸の6位に水素基を導入し、これを化学的にクロル化し、6-クロロ-3-ピリジルメチル基に持っていく合成法を考えた。 我々にはニコチン酸の6位に特異的に水酸基を導入する微生物を広く検索し、Pseudomonas.Serratia.Comamcuas属の細菌が強い活性を示すことを見いだした。本活性はニコチン酸によって誘導生成され、鉄、モリグデンの添加が、酵素活性の増強のために重要であった。菌体反応においては特に電子受容体を添加する必要はないが、通気が極めて重要であった。菌体反応による蓄積を試みたところ、Serratia marcescensを用いた場合、数時間の反応で98%の転換率で最高319g/Lの著量蓄積が達成された。本水酸化反応のメカニズムを明らかにするためにH_2^<18>O中で反応を行ったところ、^<18>Oの取り込まれた6-ヒドロキシンニコチン酸の生成が認められた。本酵素は膜結合酵素であり、膜結合の状態ではチトクローム電子伝達系にカップルしていた。本酵素を単一標品に構製単離し諸性質を明らかにした。分子量80KDa、サブユニットの分子量は80KDaであり、サブユニット1個より成っていた。フェナジンメトサルフェイト、フェリシアン1Cカリなどを電子受容体とし、ピラジン酸、ピリジンスルフォン酸などを基質とし、水酸基を導入した。
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