研究課題/領域番号 |
04660143
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
製造化学・食品
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大東 肇 京都大学, 農学部, 助教授 (80026583)
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研究分担者 |
川中 正憲 国立予防衛生研究所, 寄生虫部, 室長 (50109964)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | チンパンジー / 薬用植物 / Vernonia amygdalina / 住血吸虫 / マラリア / 赤痢アメーバ / vernodalin / vernonioside / 赤痢アメーバー / Vernonia amygdarina / 抗住血吸虫活性 / 抗菌活性 / 抗腫瘍活性 / ベルノニオシド / ベルノダリン |
研究概要 |
最近野生霊長類の行動調査より、栄養的摂取以外に、特徴ある食べ方で摂食される植物種-頻度や摂取量が少ない、病気個体により摂取される、苦味がある-が見出されている。これらの種の多くは彼等の生理状態をコントロールする上で重要な役割を担っているものと考えられている。本研究では新しい天然生理活性物質の供給源としてこれら非栄養的摂取植物を選び、種々の生理活性の検索と活性成分の化学的究明を行い、また野生霊長類の採食行動を化学的に解析することを目的とした。西田利貞博士(京大・理、動物行動生態学)らの協力により20余種の植物を選択し、微生物や寄生虫などの各種生物活性、細胞毒性、食品および薬学上重要な酵素に対する活性などを検討した。顕著な活性が認められた種として、Aspilia mossabicensis(抗マラリア、トリプシン阻害、免疫抑制)、Ficus exasperata(細胞毒性、トリプシン阻害)、Hibiscus cannabinus(アロマターゼ阻害)、Erythrina abyssinica(抗マラリア)、Ximenia americana(トリプシン阻害)が挙げられる。最も巾広くしかも強力な活性を示した種はVernonia amygdalina(細胞毒性、抗菌、抗寄生虫、免疫抑制)である。強烈に苦い本種は、病気のチンパンジーがその茎部髄を食べ、やがて健康を取り戻したことが観察されている。本植物よりセスキテルペン類(4種:強力な細胞毒性、抗菌性を有する)およびステロイド関連物質(10種)の二群の苦味関連物質を明らかにした。この植物を採食したチンパンジーは寄生虫病であったと推察された。上記二群の化合物のいくつかは顕著な抗住血吸虫、抗マラリア活性を示した。病気個体の食べた髄には細胞毒性の強いセスキテルペン類は含まれず、ステロイド関連物質が顕著であった。以上より、チンパンジーは寄生虫のコントロールにV.amygdalina髄中のステロイド関連物質を利用していると示唆できた。
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