研究課題/領域番号 |
04660167
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
井口 隆史 島根大学, 農学部, 教授 (70032604)
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研究分担者 |
北川 泉 島根大学, 農学部, 教授 (60032546)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | パルプ分収林 / マツクイムシ被害 / 森林の持つ公益性 / 旧薪炭林地帯 / 県行パルプ造林 / マックイムシ被害 / アカマツ材 / パルプ原料 / 一般建築材 |
研究概要 |
本研究の目的は、次の3点であった。(1)県行パルプ分収林について、その現状と問題点を明らかにすること,(2)県行パルプ分収林の収益分収問題を整理すること,(3)公的分収造林の契約満了時の諸問題への対処の方向を示すこと。それぞれの項目について、明らかになった点の概要は、以下の通りである。 (1)パルプ分収林の現状は、マツクイムシ被害を受け十分な蓄積を持っていないものが多く、分収益が確保できない恐れがある。また、アカマツ材の価格動向から判断して、一定の蓄積を確保できたとしても、投下資本の回収ですら困難であることが予想される。 (2)パルプ分収造林の分収割合は、県50%(内45%が土地提供者)、造林者50%であるが、これでも、現行の造林コストを前提とすれば、再造林費用ですらカバーできない。したがって、一方では分収造林が、後発林家の育林経営を推進する契機を作るという側面は消え、再度分収造林につながざるをえないことになり、他方ではそれにもかかわらず資本投下が期待できないという問題が生ずることになる。 (3)経済ベースで考える限り、分収造林の問題は対処が困難である。公的分収造林の目的は、建前としては森林造成であったが、就労の場の確保地域経済の活性化という側面から進められてきたという面が強い。しかし現在、就労すべき労働力は高齢化し次々と引退しつつあり、伐採後の林地は、土地提供者に返却すればそのまま放置されてしまうであろう。こうした放置森林は大きな社会的問題を生み出す可能性がある。以上のような予想される状況を踏まえるならば、森林の持つ公益性発揮を前提として、森林造成費の社会的補填等の方法で造林者の負担を軽減するとともに、公益性を高めるために伐期(契約期間)を大幅に延長し、分収率についても再検討することによって森林造成を継続する必要がある。
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