研究課題/領域番号 |
04660208
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
石松 惇 長崎大学, 水産学部, 助教授 (00184565)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | シャットネラ / 有害プランクトン / 活性酸素 / 過酸化水素 / マンニトール / ブリ / スーパーオキシドディスムターゼ / カタラーゼ / へい死機構 |
研究概要 |
ブリをシャットネラ海水に曝露させた際、斃死例では実験曝露開始後から動脈血酸素分圧(Pao_2)が急激に減少したが、この時海水中過酸化水素濃度([H_2O_2])は急激に増加し、約1.5〜2.0μMに達した。斃死時には[H_2O_2]は急激に低下した。口腔水と鰓腔水を採取し[H_2O_2]の測定を行ったが、両サンプル間にはっきりとした濃度差を認めることはできなかった。生残例では海水中に過酸化水素はほとんど検出されなかった。曝露実験で測定されたのと同濃度の過酸化水素を海水に加えて行った実験では、ブリに対する生理的影響はほとんど認められず、全ての個体が生残した。これらの実験の結果、過酸化水素以外の活性酸素種であるOHラジカルがシャットネラによるブリ斃死に関与していることが予想されたため、その消去剤であるマンニトールの効果について調べた。マンニトール50mMを海水に添加して行った実験で、シャットネラ曝露時のブリに対してある程度の延命効果が認められた。同濃度のマンニトールのシャットネラ細胞に対する影響は認められなかった。ヒラメをシャットネラ海水に曝露したところ、直ちにPao_2低下し、ブリにおけると同様の窒息状態が出現した。実験期間中全てのヒラメは生残した。従ってヒラメのシャットネラに対する高い抵抗性は、同種の低酸素状態に対する耐性によると考えた。ブリ・マダイ・ヒラメの3魚種で鰓のカタラーゼおよびスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)活性を比較したところ、カタラーゼVmaxについてはブリが最も低く、ヒラメが最も高い値を示した。カタラーゼKmおよびSODについては3魚種間で有意差は認められなかった。これらの要因もシャットネラに対する魚種間の感受性の差異に関係するものと思われた。
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