研究課題/領域番号 |
04660209
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
田北 徹 長崎大学, 水産学部, 教授 (30039721)
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研究分担者 |
玉置 昭夫 長崎大学, 水産学部, 助教授 (40183470)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ムツゴロウ / 有明海 / 栄養状態 / 成長 / 再生産 |
研究概要 |
劣悪な状態にある有明海産ムツゴロウ資源の回復を目指して有明海周辺の干潟と河口域で以下に述べるような生態学的研究を行った。 生息域の環境条件を知るため、有明海全周でのムツゴロウ分布調査の結果にもとづいて周辺の干潟に8トランセクトを設け、底質条件を調べた。その結果、ムツゴロウは、干潟表層がMd.φ4.95より細かい粒度、含泥率78.39%以上の干潟に生息するが、主な分布域での両値は、7φ前後と90-100%で、その範囲のなかで干潟の高さと傾斜、餌の豊富さ、その他の条件によって分布を決定しているとみられた。 干潟の餌料量、魚体の栄養状態、成長度と孕卵数について調査を行い、成長度に年級群間の差が見られ、これが餌料条件の年変化にもとづく成育状態の変化を反映しているとみられた。発生年の成育は、当歳魚の越冬期の減耗と関係することも示唆された。また魚体の栄養状態と産卵量との対応から、餌料条件が再生産量を決定しうると考えられた。 ムツゴロウに対する環境収容力については、索餌面積、索餌頻度、摂餌時間などと密接に関係すると考えられたので、ムツゴロウの索餌行動を調べるため、佐賀県六角川河口の干潟で行動のビデオ撮影を行った。現在その資料に基づき行動様式を解析中であり、その結果により、個体の索餌面積、その時間的・空間的変化、干潟の餌料量と行動との関係など、多くの成果が期待できる。 浮遊仔魚の分布については、佐賀県六角川で調査を行い、仔魚が有明海に広く分散することなく、ほとんど河口内に生息すること、河川内で感潮域の広い範囲に分散して分布することなどを明らかにした。
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