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スミノリ症嫌疑菌のスサビノリ細胞壁多糖分解酵素に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04660228
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 水産化学
研究機関佐賀大学

研究代表者

中川 浩毅  佐賀大学, 農学部, 教授 (80038223)

研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードスサビノリ / スミノリ症 / スミノリ症菌 / ノリ細胞壁多糖 / ポルフィラン / ポルフィラン分解酵素 / 3,6-アンヒドロガラクトース
研究概要

近年、ノリの養殖においてスミノリ症が頻発し、大きな損害を与えている。本症に罹ったノリは、ノリの細胞壁が弱くなっていることを示唆する特徴的症状を示すので、スミノリ症菌がノリ細胞壁多糖を酵素的に分解しているのではないかと考え、本研究を行った。
先ず、スサビノリから細胞壁多糖を系統的に分離し、それらの性質及び含量を明らかにした。すなわち、スサビノリ細胞壁は主としてポルフィラン、マンナン及びキシランから成り、これらの含量比は25:2:1で、粘性多糖であるポルフィランがノリ重量の35〜40%を占めていることを明らかにした。
次に、スミノリ症菌(Flavobacterium sp.)から粗酵素画分を調製し、これからDEAE-トヨパール650クロマトグラフィーなどによりポルフィラン分解酵素を精製して、酵素的性質を検討した。本酵素の最適pHは5.5〜6.0にあり、分子量は分子ふるいクロマトグラフィーにより2.4×10^4と求められた。本酵素は、3,6-アンヒドロガラクトース含量の高いポルフィランによく作用して数種のオリゴ糖を生成したが、含量の低いポルフィランにはあまり作用しなかった。本酵素の作用によりポルフィランから生成したオリゴ糖の還元末端はガラクトースであった。これらの結果から、本酵素は3,6-アンヒドロガラクトース残基に隣接するガラクトース残基を加水分解するendo型の酵素であると考えられた。
ポルフィランは、スサビノリ細胞壁の最も主要な構成成分であり、また水に可溶の粘性多糖であることから、生ノリ表面の「ぬめり」や板ノリの表面光沢はポルフィランに基づくものと考えられる。スミノリ症菌がスサビノリに感染・増殖すると、細胞壁の主要成分であるポルフィランが酵素的に分解されるため、細胞壁が脆弱になったり、また板ノリが光沢を失って墨色(スミノリ症状)を呈するようになると推定される。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書

URL: 

公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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