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塩生植物の塩(NaCl)応答性機構に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04660277
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 農業気象・生物環境制御学
研究機関東京農業大学

研究代表者

加藤 茂  東京農業大学, 農学部, 助教授 (90147489)

研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード塩生植物 / マングローブ / 浸透圧調節 / 有機酸
研究概要

マングローブ植物は塩生植物の一種で、熱帯・亜熱帯の海水の出入りする潮間帯域に分布している。日本では南西諸島(沖繩)を中心に分布している。本年度は、マングローブの一種、ヒルギ科のRhizophora stylosa(和名:ヤエヤマヒルギ)の胎生種子を塩(NaCl)含有の水耕栽培液を用いて人工気象条件下において栽培し、NaCl濃度と生育について比較、各種イオンの取り込みとその生育応答機構について検討を試みた。
1)試料および方法:ヤエヤマヒルギ胎生種子は、1/2000aワグネルポットを用い底部より通気を行う砂耕法により人工環境調節下に栽培を行なった。栽培期間(4.5か月)として、人工光グロースキャビネット(小糸製作所製)を使用し昼間30℃、夜間25℃、12時間照明、相対湿度50‐70%に調節した。栽培後の各植物体は、葉(健全生育葉)、茎および根の3部分に分け精秤後、蒸留水とともにホモジナイズした。このホモジナイズ調整液の各種無機イオンおよび有機酸の同定と定量分析を行なった。
2)結果:ヤエヤマヒルギ栽培試験の結果、0.6%〜1.5%NaCl濃度(肥料+0.6%NaCl〜1.5%NaCl)での生育が最も良好で節間伸長、葉面積も大きさも他の区に比較して優れていた。平均的な海水塩分濃度である3%NaCl区(肥料+3%NaCl)の生育は、僅かな根の形成は認められたが葉の伸長は非常に劣っていた。植物体内に取り込まれ蓄積されたイオン類は、栽培液中のNaCl濃度上昇にともないNa^+イオン及びCl^-イオンの吸収が増加し植物体内への蓄積濃度も増加していた。栽培液中のイオン組成の変化は、特に0.6%〜1.5%NaCl区でK^+,NO_3^-,PO_4^<3->の各イオンが減少していた。葉内のNa/K比は、栽培液中のNaCl濃度上昇とともにその値も上昇した。浸透圧調節に関連している主な有機酸類は、葉内および根内にシュウ酸とリンゴ酸が認められその濃度は植物体に分布したNaCl濃度との相関関係が認められたことからこれらの有機酸類が過剰に取り込まれたカチオン類と塩を形成中和し浸透圧調節していることが推察された。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Sigeru Kato: "Mangrove plant, Bruguiera gymnorrhiza and Its Salt Environment for growth" Bull.Society for Sea Water Sci. Japan. 46. 397-404 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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