研究概要 |
鶏の主要組織適合複合体であるB座位を構成するF,L,Gの3領域の遺伝子について、その構造をDNAレベルで分析し、免疫能力並びに抗病性との関連性について検討した。試料のDNAは赤血球から抽出し、制限酵素で切断したのち、今回購入したミニチラーで冷却しながら電気泳動し、サザンハイブリダイゼーションにより、RFLP分析を行なった。以下に結果をまとめると: 1.G領域に対するRFLPの標準パターンの作成。 (1)制限酵素として、EcoRI,PvuII,HindIIIを使用するこにより血清学的にB座位がホモである12系統から得た8種のハプロタイプを織別することが出来た。 (2)上記の他にB座位がヘテロである7種のハプロタイプを混合してRFLP分析するこにより、合計21本のバンドが検出され、各バンドの大きさを推定することにより、血清学的に同定されたハプロタイプに対する標準パターンを作成した。 2.G領域が同一でF領域のRFLPパターンの異なる個体を用いた免疫能力並びに抗病性との関連性。 (1)G領域がB^<21>ホモでF領域のRFLPパターンの異なる個体をもちいた場合、抗体産生能及び植片対宿主反応能とF領域のRFLPパターンの関連性については例数が少なく一定の傾向が見られなかった。今後は、例数を増やして検討する必要がある。 (2)抗病性との関連性については、マレック病ウイルス接種試験により、発症した個体と末発症の個体のDNAをEcoRI,とHindIIIを用いて消化したRFLPパターンを比較した結果、特定のバンドの出現頻度に差が見られF領域との関連性が示唆されたが、今回の結果ではG領域が同一の例数が少なかったため、今回の結果でF領域が明らかになった系統を用いて更に検討する必要がある。
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