研究課題/領域番号 |
04660303
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産化学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
豊水 正昭 新潟大学, 農学部, 助教授 (80180199)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 蛋白質 / 飼料 / ミトコンドリア / 酸化的リン酸化 / 脱共役 |
研究概要 |
本研究では、まず、a)蛋白質摂取にともなう小腸粘膜や骨格筋の酸化的リン酸化能の変化を調べ、ATP合成系が肝臓や心臓以外の臓器でも修飾を受けるか否かを確認するため、プロイラー雛に蛋白質含量な異なる試験飼料を14日間自由摂取させ、小腸粘膜および骨格筋ミトコンドリアの酸化的リン酸化能を測定した結果、深胸筋、大腿二頭筋のいずれにおいても、STATE3、STATE4およびADP/0比の増減は認められなかったが、小腸粘膜のSTATE4は、61%区で7%、25%、43%区と比較して有意に増加した。次に、b)蛋白質摂取にともなう肝臓の酸化的リン酸化能の低下の基質依存性を調べたところ、基質として、電子伝達複合体1に電子を供与するピルビン酸+リンゴ酸、あるいはグルタミン酸を用いた場合、肝臓ミトコンドリアのADP/0比が蛋白質レベルの増加にともない有意に低下したが、電子伝達複合体III、IVにそれぞれ電子を供与するコハク酸、アスコルビン酸を用いた場合には有意な変化は認められなかった。さらに、C)蛋白質摂取にともなう肝臓の酸化的リン酸化能の低下に、ミトコンドリア内膜に内在するF_0F_1-ATPaseの関与の可能性があるか否かを調べたところ、F_0F_1-ATPaseの活性は、単離直後ミトコンドリアでは、蛋白質レベルの増加により有意に増加したが、凍結融解処理後のミトコンドリアでは、変化は認められなかった。このことから、F_0F_1-ATPaseの関与より電子伝達複合体1のプロトンポンプ能の低下とミトコンドリア内膜のプロトンの透過性の増大による可能性が考えられた。最後に、c)この蛋白質レベルが各種主要臓器の細胞内のNa^+/K^+-ATPase活性に影響を及ぼすか否かを調べたところ、腎臓・小腸粘膜とは異なり、肝臓や特に筋肉で低蛋白質レベルで低下した。今後、蛋白質摂取にともなう肝臓の脱共役反応や筋肉におけるATP利用の促進反応の作用機構をさらに解明する必要があることが解った。
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