研究課題/領域番号 |
04660307
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
六車 三治男 九州大学, 農学部, 助教授 (50091369)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | タリン / アクチン / α-アクチニン / 細胞骨格蛋白質 / カルパイン / alpha-アクチニン |
研究概要 |
タリンはビンキュリンやα-アクチニンと共に細胞接着斑を構成する細胞骨格蛋白質であり、細胞外マトリックス・細胞膜とアクチン線維を主成分とする細胞骨格とを連繋する位置に存在する。しかしその機能、特にアクチンとの結合能は不明であった。そこで、本研究ではまず、タリンが直接アクチンと結合出来るかどうかを精製成分を用いて検討することにした。その結果、世界で初めて、タリン(230kD)がF-アクチンのみならずG-アクチンとも効率よく直接結合し得ることを、新しい方法で精製した成分を用いたin vitroの系で証明することに成功し、接着斑におけるアクチンフィラメントと原形質膜との直接的な連繋体としてのタリンの機能を明確にした。また、タリンがアクチンフィラメントを架橋する性質を備えていることをα-アクチニンとの相互作用の解析を通じて明らかにし、タリンがおそらくは細胞膜直下で、アクチンフィラメント形成のための核となり、次いで、α-アクチニンとの協同作用により細胞内骨格の3次元構造の形成、即ち、細胞形態の決定に関与する可能性を示した。さらにタリンを細胞内の内因性の蛋白質分解酵素、カルパインで処理して得られたC-末端側の190kD断片は、インタクトなタリンで観察されたと同様な、あるいはむしろ高いレベルのアクチン結合能を示し、アクチン重合の核形成やゲル化を促進する作用も認め、C-末端ドメインが細胞骨格の組織化に重要な役割を果たすことを明らかにした。 今後は190kD断片のどの部位に、このような機能が存在するかを詳細に検討し、α-アクチニンやビンキュリンの関与もさらに明確にし、また47kDのN-末端ドメインの細胞膜側との連繋の可能性も探ることによって、細胞接着斑における分子構築の機構を明らかにする必要があろう。
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