研究課題/領域番号 |
04660308
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産化学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
青木 孝良 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70034460)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 乳清タンパク質 / β-ラクトグロブリン / グルコース6-リン酸 / アミノカルボニル反応 / リン酸基 / リン酸カルシウム / beta-ラクトグロブリン / ミノカルボニル反応 / リン酸化 / グルコース6リン酸 |
研究概要 |
チーズやカゼイン製造の副産物である乳清の有効利用は極めて重要であり、近年各種の分離技術の進展により乳清タンパク質も食品素材として利用されるようになった。更に、高度に利用するためには機能特性の改善が必要である。カゼインはリン酸カルシウムを可溶化でき、カルシウムの腸管吸収を促進することが明かにされている。カゼインの機能発現に関与しているのはリン酸基であり、リン酸基を持たない乳清タンパク質にもリン酸基を導入すればカゼインと同様の機能を付与できるものと期待できる。そこで、本研究ではアミノカルボニル反応を利用してグルコース6-リン酸(G6P)を乳清タンパク質に結合させ、機能性を改善させることを目的として実験を行い、以下の結果を得た。乳清タンパク質とG6Pとを溶解後凍結乾燥し、50℃、相対湿度65%で1-0.5日間保持するだけで、G6Pを乳清タンパク質に結合させることができた。G6P結合乳清タンパク質には若干褐変と重合が認められたが、反応時間を短くすればその程度を軽微にすることが出来た。G6P結合により乳清タンパク質の熱安定性、乳化性が向上することが明かになった。カルシウムの腸管吸収と密接に関係するカルシウムおよびリン酸カルシウムとの相互作用を調べたところ、G6Pを結合させると、乳清タンパク質のカルシウムの結合量が増大し、リン酸カルシウム可溶化能が付与された。また、G6P結合乳清タンパク質は、リン酸カルシウムに関して飽和の溶液からの沈殿生成を阻止し、カルシウム吸収促進作用を示す可能性が示唆された。これらの結果から、乳清タンパク質にG6Pを結合させると、熱安定性や乳化等の食品加工特性だけでなく、カゼインが有するリン酸基の機能も付与されることが明らかになった。
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