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神経終末からのアセチルコリン放出の機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04660315
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 基礎獣医学
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

佐藤 栄輝  帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (50178711)

研究分担者 西村 昌数  帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (50011995)
研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード細胞内Ca^<2+>濃度 / アセチルコリン放出 / ^<22>Naの取り込み / イノシトール1,4,5-三リン酸 / 細胞内pH / Na^+イオノフォー / Na^+,K^+-ATPase阻害薬 / Na^+チャネル活性化物質
研究概要

神経終末からの伝達物質の放出には[Ca^<2+>]_iの上昇が必要であると言われている。一方、細胞外にCa^<2+>が存在しない場合でもNa^+の流入により伝達物質の放出が起こることが知られている。しかし、細胞内へのNa^+の蓄積が何故伝達物質の放出を引き起こすのかという疑問に対する解答が未だになされていない。他方、イノシトールリン脂質代謝物であるIP_3が細胞内貯蔵部位からCa^<2+>を遊離させることが明らかにされており、さらに最近では、[Ca^<2+>]_iの変化とpH_iの変動との関連性についても示唆されている。そこで、細胞内のNa^+の増加がどのような細胞内メディエーターを介して伝達物質の放出を引き起こすのかを明らかにするために、神経終末のモデルである大脳皮質シナプトソームを用いて、細胞内のNa^+を増加させた場合の[^3H]ACh放出に対する、[Ca^<2+>]_i、IP_3およびpH_iの変化の対応関係について検討した。
Na^+イオノフォーであるモネンシン、Na^+チャネル活性化物質であるベラトリジンおよびNa^+,K^+-ATPase阻害薬であるウアバインは何れも^<22>Naの取り込み、[Ca^<2+>]_iおよび[^3H]ACh放出を増加した。モネンシンとベラトリジンの作用はテトロドトギシンやCa^<2+>除去によりそれぞれよく対応して変動し、^<22>Naの取り込み、[Ca^<2+>]_iおよび[^3H]ACh放出の間に相関が見られた。しかしウアバインにおいては、テトロドドキシンにより^<22>Naの取り込みが阻害されるにも拘らず[^3H]ACh放出がおこり、またCa^<2+>不在下での[^3H]ACh放出が[Ca^<2+>]_iの増加を伴わなかった。この様な結果は、各薬物の作用機序が異なっていることに起因すると思われる。
一方、これら三種の薬物は何れもIP_3の増加を引き起こした。しかし、この作用は細胞内のNa^+の蓄積による[Ca^<2+>]_iの上昇に起因する二次的な効果である。さらに、モネンシンのみがpH_iを上昇させ、それ以外の薬物では効果がなかった。
以上の成績は、ラット大脳皮質シナプトソームからのACh放出に、細胞内へのNa^+の蓄積に伴う[Ca^<2+>]_iの増加が重要な役割を果たしていること、しかしIP_3とpH_iの変化は、ACh放出に対して直接的に関連している可能性が乏しいことを示唆している。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Eiki Satoh and Yoshikazu Nakazato: "On the mechanism of ouabain-induced release of acetylcholine from synaptosomes" J.Neurochem.58. 1038-1044 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] Masakazu Nishimura et al.: "The effect of a reduction in temperature on the quantal release of transmitter at the mouse neuromuscular junction" Gen.Pharmacol.

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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