研究課題/領域番号 |
04660322
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小森 成一 岐阜大学, 農学部, 助教授 (70195866)
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研究分担者 |
武脇 義 岐阜大学, 大学院・連合獣医学研究科, 教授 (00021717)
大橋 秀法 岐阜大学, 農学部, 教授 (40001531)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 平滑筋 / ムスカリン受容体 / ヒスタミン受容体 / G蛋白質 / 陽イオンチャネル / 細胞内カルシュウム放出 / オシレーション / パッチクランプ法 / ヒスタミン / 膜電流 / イノシトール燐脂質代謝 |
研究概要 |
本研究は、平滑筋に収縮応答をもたらす数多くの薬物のうちで生体内活性物質として代表的なアセチルコリンとヒスタミンを取りあげ、それぞれの受容体(ムスカリン受容体及びヒスタミン受容体)を介する細胞内情報伝達機構を明かにすることを目的とした。実験にはモルモット回腸の縦走筋層から得た平滑筋条片と単離平滑筋細胞を用い、薬理学的及び電気生理学的手法によりアプローチした。 1.ムスカリン受容体或いはヒスタミン受容体を刺激すると、細胞膜にある陽イオンチャネルの開口と細胞内ストアからのカルシュウム(Ca)の放出が起こる。 2.受容体のタイプにかかわらず、両効果の発現にはG蛋白質が関与している。さらに、陽イオンチャネル開口効果に関与するG蛋白質は百日咳毒素に感受性であるのに対して、Ca放出効果に関与するG蛋白質はこの毒素に耐性である。 3.Ca放出効果の発現には、受容体刺激によって生成されるイノシトール三燐酸(IP3)がCaを細胞内ストアから放出させる直接の担い手として働いている。 4.IP3はカフェインと共通の細胞内ストアに作用してCaを放出する。しかし、その放出機序はカフェインのものと異なっている。 5.陽イオンチャネル開口効果は細胞内ストアから放出されたCaによって増強される。この性質に基づいて、受容体刺激により誘発される陽イオン電流の律動的変動は細胞内ストアからのCaの間欠的放出に起因すると考えられる。 6.以上の成果は、既発表論文3編と投稿中1編としてまとめた。 なお、本研究の過程で見いだした受容体刺激による細胞内Ca濃度の律動的変動(Caオシレーション)は細胞生理学及び病態生理学上の意義が大きい研究対象であると考えられるので、その発現機序などの解明を目指した新たな研究を企画することが必要である。
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