研究課題/領域番号 |
04660325
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
伊藤 勝昭 宮崎大学, 農学部, 教授 (70136795)
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研究分担者 |
村上 和保 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00190877)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 抵抗血管 / カルシウムチャンネル / 筋小胞体 / 収縮 / 細胞内カルシウム / 収縮タン白 / リン酸化 / 膜電位 / 血管平骨筋 / ryanodine |
研究概要 |
本研究においては血管平滑筋、特に抵抗血管平滑筋に注目して、その張力発生・維持に細胞膜Ca^<2+>チャンネルと細胞内Ca^<2+>ストアである筋小胞体がどのような役割を果たしているかを多面的に検討し、以下のような成果を得た。 1) 細胞質Ca^<2+>濃度調節における細胞膜Ca^<2+>チャンネルと筋小胞体の関係 ラット腸間膜動脈の抵抗血管を用いて筋小胞体機能修飾薬ryanodine、cyclopiazonic acid(CPA)の細胞質Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]i)、張力への作用を解析した。その結果、Ca^<2+>流入が増加しているときには筋小胞体のCa^<2+>取り込み能は亢進し、筋小胞体は‘Ca^<2+>によるCa^<2+>遊離'機構を介してCa^<2+>を放出し、収縮を増強するように機能すること、また、静止状態においては細胞外から流入したCa^<2+>は筋小胞体で緩衝された後細胞外から排出され筋小胞体は[Ca^<2+>]iを低下させるように機能することを明らかにした。 2) α1受容体興奮後のCa^<2+>流入経路 抵抗血管のα_1受容体を興奮させたときのCa^<2+>動員機構が作動薬の濃度によって異なること、受容体興奮は膜電位を変化させないで電位依存性Ca^<2+>チャンネルを開くこと、高濃度を適用したときには脱分極を起こして電位依存性Ca^<2+>チャンネルからの流入が増加するとともに電位依存性Ca^<2+>チャンネル以外からのCa^<2+>流入も収縮に寄与すること、そしてこのCa^<2+>流入はK^+チャンネル遮断薬によって抑制されることを明らかにした。 3) 高血圧血管の静止時張力維持に関与する細胞膜チャンネル 高血圧自然発症ラット(SHR)の血管は静止時においても電位依存性Ca^<2+>チャンネルからのCa^<2+>流入があり[Ca^<2+>]iが高く、収縮状態にあり、高い[Ca^<2+>]iのためにCa^<2+>依存性K^+チャンネル機能が亢進していた。このとき静止電位は正常血管と同レベルであったことからCa^<2+>活性化K^+チャンネルが静止電位を正常レベルまで過分極させていると考えられた。高血圧血管では同じ膜電位レベルでもCa^<2+>チャンネルが開口しやすく[Ca^<2+>]iを上昇し、それは二次的に筋小胞体の収縮への寄与を大きくしていることを明らかにした。
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