研究課題/領域番号 |
04670019
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
波多江 種宣 香川医科大学, 医学部, 教授 (40037388)
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研究分担者 |
櫻井 孝信 香川医科大学, 医学部, 教務職員
石田 哲也 香川医科大学, 医学部, 助手 (40243753)
市村 孝雄 香川医科大学, 医学部, 助教授 (80144468)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 吸収上皮 / 頂部細管 / 超微構造 / コンピュータ・グラフィクス / 電子顕微鏡 / エンドサイトーシス / エンドゾーム |
研究概要 |
1)種々の吸収上皮細胞にみられる頂部細管および頂部細管・エンドゾーム複合体の連続超薄切片を作製し、その電顕写真をもとにコンピュータ・グラフィクスによる三次元構造解析をおこなった。エンドゾームは楕円形から円形をしたものが多いが、側面に大きな凹凸やくびれを持ったものもあった。一方、頂部細管は細胞頂部に豊富に分布しているが、連続切片像では、その多くが緩やかに蛇行する円柱構造物で、枝分かれしたものもしばしば観察できた。頂部細管とエンドームの連結像は、連続切片像において多数例観察された。頂部細管・エンドゾーム複合体の定量的解析の結果、頂部細管/エンドゾームの総容積比が数%のオーダーであるのに対し、総表面積比は数十%に達しているのがわかった。すなわち、頂部細管がその容積に比べて大量の膜成分を収容していた。この事実は、頂部細管のエンドサイトーシスにおける動的過程を考慮すれば、頂部細管の細胞膜再循環(membrane recycling)の担い手としての高い効率性を示唆していると思われる。 2)吸収上皮細胞にオスミウム浸較法をほどこしたのち、頂部細管および頂部細管・エンドゾーム複合体の三次元構造を、高分解能走査電顕で観察した。エンドゾームは楕円形ないし円形の空胞として観察され、側面に大きな陥凹のあるものもあった。頂部細管は、緩やかに蛇行する円柱構造物として細胞頂部に存在し、その多くは複雑な網状構造を形成していた。またエンドソームとの連結像が多数観察された。以上の観察結果から、頂部細管は細胞内でそれぞれ独立して存在するのではなく、全体として連続したネットワークを形成していることが明らかになった。これらの事実は、頂部細管はエンドサイトーシスの際に新しく形成されるのではなく、細胞膜再循環のための細胞膜の貯蔵所として、細胞頂部にあらかじめ存在することを示唆すると思われる。
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