研究課題/領域番号 |
04670021
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
上原 康生 熊本大学, 医学部, 教授 (20028343)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 平滑筋 / 血管 / 電子顕微鏡 / 免疫染色 / 発生 / 器官発生 |
研究概要 |
本研究課題は平滑筋の諸機能の発現機序を明らかにするため、その発生、とりわけ胎生末期から出生早期にかけての成長、分化の過程を形態学的に追跡したものである。材料として上腸間膜血管空腸枝を選び、その成長度を計測し、筋層の成長、筋細胞の形態分化を微細構造レベルで観察し、また成長時における細胞の動態を免疫細胞学的に検索した。動・静脈の長さ、内径とも出生後授乳開始から出生後3週間にいたるまで急速に増加し、以後引き続き漸増する傾向にあることが明らかになった。平滑筋の形態分化の過程を明らかにするため、新鮮未固定血管をtrypsinで消化、あるいはglutaraldehyde固定資料についてはNaOHによる加水分解を施し、血管周囲の結合組織を選択的に除去した後、走査型電子顕微鏡によって筋層の細胞構築を観察した。平滑筋細胞の形態変化と筋層の成長は出生直後から約4週間継続するが、同一血管では近位の大型血管ほど早く、遠位の細血管ほど未分化の様相を呈することが示された。形態変化とともに筋細胞の大きさ、筋細胞の配列、筋層の厚さには動静脈で著しい差異が認められた。平滑筋細胞に特有なα-actinおよびG1-S期にある細胞核を選択的に染めるPCNA(proliferating cellnuclear antigen)の免疫細胞学的二重染色を行った結果、すくなくとも出生後は、筋層の厚さの増加は収縮性要素に富む既存の平滑筋細胞の増数によることを明らかにした。 現在血管については実験条件下における発生学的検索を進めており、さらに他の器官の平滑筋についても研究を継続しており、それらの成果を順次発表する計画がある。
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