研究課題/領域番号 |
04670032
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
阿部 寛 東海大学, 医学部, 教授 (40151104)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 蛋白質ホスファターゼ / ラット脳 / インサイト・ハイブリダイゼーション / mRNA / Protein phosphatase / rat / brain / in situ hybridization |
研究概要 |
本研究は、セリン・スレオニン型蛋白質ホスファターゼの遺伝子の中枢神経系における発現局在とその調節様式を、インサイト・ハイブリダイゼーション法により解析したものである。2C型蛋白質ホスファターゼのmRNAの局在を、オートラジオグラフィーの銀粒子として観察すると、小脳プルキンエ細胞と顆粒細胞、海馬の錐体細胞と歯状回の顆粒細胞、脈絡叢などに強い発現のシグナルが認められた。脳幹の諸核に中程度の発現を認め、さらに嗅球の僧帽細胞と内顆粒細胞、脊髄の灰白質、大脳の新皮質、視床・視床下部に弱い発現を認めた。線状体にはシグナルを認めなかった。また、2A型蛋白質ホスファターゼのうち、視床以外では2Aα型と2Aβ型は同様の発現局在を示した。梨状葉、小脳のプルキンエ細胞と顆粒細胞、海馬の錐体細胞と歯状回の顆粒細胞、それに青斑核に強い発現を認めた。また、嗅球の僧帽細胞や橋核では中程度の発現を認め、大脳皮質、脳幹諸核には、やや弱い発現を認めた。しかし、白質と脈絡叢には発現を観察できなかった。 2A型および2C型蛋白質ホスファターゼの、ラットの中枢神経系における広範囲な局在が示された。小脳のプルキンエ細胞と顆粒細胞、海馬の錐体細胞と歯状回の顆粒細胞において、活発な燐酸化・脱燐酸化のサイクルが存在するであろう。2A型と2C型の局在の類似性、また2Aα型と2Aβ型の局在の類似性は、蛋白質ホスファターゼが広範な基質特異性を有することに対応するものであろう。2B型は、2A型および2C型と異なり、線状体の脱燐酸化過程において優位性をも、脈絡叢では2C型が特徴的な機能を有するであろう。最近、1型蛋白質ホスファターゼや2A型がCaMキナーゼIIの活性を自己燐酸化によって調節していることが報告されており、今後1型蛋白質ホスファターゼの発現局在の解明が求められる。
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