研究課題/領域番号 |
04670040
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
遠山 稿二郎 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (10129033)
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研究分担者 |
似鳥 徹 岩手医科大学, 医学部, 講師 (90128934)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 軸策再生 / 脊髄後根神経節 / 移植 / 再生促進因子 / 基底膜 / 生体内評価系 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 三次元的形態解析 / 軸索再生 / 脊髄前角 / ミクログリア / 指標蛋白 / 形態解析 |
研究概要 |
神経再生に関わる要因の解析は、これまで、培養系を中心に為され、多くの成果を上げて来ている。しかし、生理活性物質などに関する培養条件下(in vitro)で得られた結果は、生体内(in vivo)では必ずしも検証されない場合が多い。これは、in vitroでは想定できない複雑な要素がin vivoに含まれたいるためである。本研究の目的は、従来主流であったin vitroでの解析にかわり、生理活性物質の効果を、より複雑な要素を加味して評価できる、新たな生体内評価系を確立することである。当該年度(平成4年度〜平成6年度)では、その第一段階として、そのために必要な基礎データを集めることに主眼をおいた。当初予定していた重要な新しい神経伸長因子であるBDNF,CNTFの入手に手間取ったため、これらを用いての解析は殆ど実施できなかった。しかし、生体内評価系の確立のための、諸条件、基本的な研究手技の確立などについてはほぼ当初の目的を達成することができた。 生体内で再生軸策の伸長を正確に、また、効率的に把握できるteasing試料を用いた免疫染色法の有用性が確認され、レーザー顕微鏡を用いての解析が極めて有効あることが示された。加えて、以下に示す新しい事実を見いだすことができた。 (1)生体内での再生軸策には長い領域にわたりGAP43,PGP9.5,synaptophysinなどが存在した。一方、従来、発生や培養下で観察されてきた扇型をした成長円錐は、極めてまれであった。また、電顕的に成長円錐の形態的特徴を備えている部位が再生軸策の先端から数百ミクロンにわたって存在することなどからこれらの部位が「成長円錐」として機能している可能性が強く示唆された。 (2)末梢性に投与された標識物質(DiIなど)が、投与後3日以内に脊髄神経節(DRG)の外套細胞に集積した。この事実から、DRGの外套細胞と神経細胞間の物質移動の可能性が示され、再生等における外套細胞の新たな役割が示唆された。 (3)抗サイモシン抗体が中枢神経系のミクログリアの特異的なマーカーであることを明らかにした。
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