研究課題/領域番号 |
04670054
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
小林 春雄 東京医科大学, 医学部, 教授 (20074502)
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研究分担者 |
高橋 進 山口大学, 教養部, 教授 (90022665)
持田 澄子 東京医科大学, 医学部, 講師 (30096341)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 交感神経節 / シナプス伝達 / 蛋白燐酸化 / Gキナーゼ / Cキナーゼ / MARCKS / 培養ニューロン / 開口放出 / 伝達物質 / ムスカリン性作用 / 伝達物質放出 / ムスカリン性受容体 |
研究概要 |
交感神経節シナプス前神経終末から固有の伝達物質としてアセチルコリン(ACh)が放出され、節細胞はそれに応答してシナプス電位を発生するが、そのうちAChのムスカリン性受容体を介する特別に時間経過の長い(数秒以上)興奮性シナプス電位(Slow EPSP)は、その経過の長さから神経系の活動を長時間促進的に維持する可塑的機能を持つものとして注目される。slow EPSP発生の膜機序は複雑で、数種の機序が重複して起こる多重型のものであるとの理解が近年定着しており、その背景に環状GMP(cGMP)を含む数種の第二次細胞内伝達系が関与する可能性が古くから指摘されていた。我々はムスカリン性刺激によりcGMPが神経節で著明に増加する事、cGMPが節細胞に持続性の脱分極を起こす事、cGMP依存性蛋白キナーゼ(Gキナーゼ)の活性が神経節に存在する事、Gキナーゼの特異的基質として分子量87Kの酸性蛋白が神経節に存在する事、などを本研究の過程で発見した。87Kの蛋白は抗体を用いた免疫学的手法により、脳で確認された神経系に遍在するMARCKSと呼ばれる蛋白と同一である事も本研究により確かめられ、Slow EPSPへの関与その他、その機能的役割の解明が将来に待たれる。MARCKSは元々Cキナーゼの特異的基質として提唱されたもので、恐らく複数の蛋白キナーゼの基質となり得る異なった被燐酸化部位を持ち、この蛋白を介して複数の第二次伝達系のクロストークの可能性も浮上している。 交感神経節細胞を一次培養系として維持する事は古くから行なわれたが、本研究では培養中に隣接の細胞間に新たなシナプスが高頻度で形成される事が判った。この実験系を用いて伝達物質の開口放出に関する細胞内機能分子(特に蛋白)の役割の解明が進み、ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)が非筋性ミオシンIIの軽鎖を燐酸化する過程がAChの放出に不可欠である事を見出した。さらに放出に関与する他の蛋白の機能解析が進んでいる。
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