研究課題/領域番号 |
04670059
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
桑原 厚和 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (60142890)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 腸管神経叢 / イオン輸送 / PACAP / 大腸 / クロライド分泌 / モルモット |
研究概要 |
1989年に、視床下部より新規の生理活性ペプチドPACAP(pituitary adenylate cyclaseactivating polypeptide)が発見された。PACAPは遺伝子構造解析の結果から38個のアミノ酸より成り、VIPと極めて高い類似性を有することが報告されている。VIP類は神経ペプチドの中でも、その生理作用が比較的明らかにされているペプチドであり、消化管粘膜でのイオン輸送(クロライド分泌)や蠕動運動に影響されることが知られている。また、PACAPはVIPと同様に、腸管神経に存在することが明らかにされている。このような知見は、PACAPの消化管機能調節機構への関与を強く示唆している。 本研究はVIP類及びその類似ペプチドであるPACAPの消化管粘膜イオン輸送調節機構における役割を明かにすることを目的とした。 モルモット下部大腸を用いて、消化管粘膜でのイオン輸送に及ぼすPACAPの作用を、Ussing Flux Chamberを使用し電気生理学的に検討し、以下の結論を得た。 1)PACAPは奨膜側への適用により、用量ー依存性に奨膜側から粘膜側への電流量を増大させた。この反応は、溶液からのクロライドイオンの除去、又はクロライドイオンチャネル阻害剤の適用により著しく減衰した。 2)神経遮断薬であるテトロドトキシンの前処置により、PACAPによる反応は完全に消失した。また、コリン作動性神経遮断薬であるアトロピンの前処置によってもPACAPによる反応は、明かに抑制したが、消失はしなかった。 3)上述の結果は、PACAPによる反応はコリン作動性及び非ーコリン作動性神経を介するクロライドイオンの分泌によるものであることを示唆している。
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