研究課題/領域番号 |
04670085
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
井上 真澄 福岡大学, 医学部, 助教授 (40223276)
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研究分担者 |
今永 一成 福岡大学, 医学部, 教授 (40078613)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 心筋 / Aチャネル / Ca^<2+> / β受容体刺激 / Caチャネル / beta受容体刺激 / A電流 / 一過性外向き電流 / モルモット / 4-aminopyridine / TEA / 不活性化 |
研究概要 |
単離モルモット心室筋細胞において、外液からCa^<2+>を除去すると、内向き整流K電流は全く影響を受けなかったが、脱分極側で一過性の外向き電流が発生した。このCa^<2+>除去下で発生する電流は、濃度依存性にquinidine及びD-600で抑制された。Cd^<2+>(0.1mM)は+50mVよりマイナス側の膜電位でこの一過性の外向き電流を抑制したが、60mVよりプラス側では膜電位依存性に電流が励起された。一価の陽イオンをN-D-methyl-glucamine(NMG)で置換したCa^<2+>除去液中で、150msの脱分極パルスで誘発される外向き電流は、一過性成分とプラトー成分より構成される。これらの成分はNMGをTEAで置換しても影響されなかった。4-APで置換すると一過性成分はかなり抑制されたが、プラトー成分は変化しなかった。一過性成分は、0mVへの条件付けパルスが3msから100msへ長くなるに従い徐々に抑制されたが、プラトー成分は全く影響を受けなかった。300msの条件付けパルスにより一過性成分は完全に消失し、プラトー成分は約10%抑制された。一過性成分の不活性化の時間経過は、膜電位依存性を示さず時定数35msの指数関数で表された。また、定常状態での不活性化の膜電位依存性は、Boltzmannの式で表現できそのV_<1/2>とslope factorは-33.5mVと7.5mVであった。β受容体刺激は一過性成分には全く影響を及ぼさなかったが、プラトー成分を約2.7倍増加した。この増大は、150msパルス中に不活性化されるCa電流値のと一致した。以上の結果より、Ca^<2+>除去下で電位依存性に誘発される外向き電流の一過性成分は、Caチャネルを通るK^+の外向き電流でなくA電流または類似のK電流であることが示唆された。このことは、モルモットではAチャネルの機能発現が発生過程で修飾される可能性を示唆する。
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