研究課題/領域番号 |
04670096
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
田中 冨久子 (田中 富久子 / 貴邑 冨久子) 横浜市立大学, 医学部, 教授 (40046066)
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研究分担者 |
船橋 利也 (舩橋 利也) 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70229102)
比留間 弘美 横浜市立大学, 医学部, 助手 (10238397)
遠藤 豊 産業医科大学, 医学部, 講師 (90194050)
有田 順 山梨医科大学, 医学部, 教授 (80128587)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | LH / LHRHニューロン / 多ニューロン発射活動 / 基礎分泌 / 相動性分泌 / エストロジェン / オピオイド / GABA / 視床下部正中隆起 / エストロゲン / 負フィードバック / 正フィードバック / ラット |
研究概要 |
エストロジェンの正フィードバック作用によるLH大量分泌に関わるLHRHニューロンは、卵巣摘除下でパルス状分泌に関わるものとは異なる可能性について、視床下部正中隆起部の多ニューロン発射活動(MUA)記録法を用いて検討し、以下の結果を得た。 1.基礎分泌に関わるI型LHRHニューロンを含む神経回路の周期的発火活動は、オピオイド受容体阻害剤ナロキソンにより頻度が増加し、ペントバルビタールにより大きな影響をうけないことを昨年報告したが、ペントバルビタールの作用下でも小さいながらナロキソンの効果が見られたので、オピオイドは、ノルアドレナリンニューロンの前抑制の他に何らかの機序でI型LHRHニューロンを抑制することが示唆された。 2.I型ニューロンを含む神経回路の周期的発火活動は、エストロジェンにより頻度が減少するが(negaive feedback)、この効果はナロキソン持続投与によって阻止される。しかし、GABA_A受容体阻害剤ビククリン持続投与によっては影響をうけないので、エストロジェンのnegative feedback作用はオピオイドにより仲介されることが再度示唆された。GABAは、卵巣摘除下でもそうであったが、エストロジェンnegative feedback作用下においても、大きな役割を果たしていないと思われた。 3.I型ニューロンを含む神経回路の周期的発火活動頻度をエストロジェンにより減少させて基礎LH分泌を発現させた後にもペントバルビタールは大きな効果を示さなかった。 4.相動性LH分泌に関わるII型LHRHニューロンを含む神経回路の相動性発火がペントバルビタールで抑制されることは、血中LH測定より推測される有名な事実である。この発火の直前にビククリンを持続投与すると相動性分泌様のLH分泌がおこることが見い出された。 以上、本研究はI型ニューロンはオピオイドニューロンと連絡することによりエストロジェンのnegative feedback作用を、II型ニューロンはGABAニューロンと連絡することによりエストロジェンのpositive feedback作用を受ける神経回路を形成することが示唆された。
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