研究課題/領域番号 |
04670107
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 進 東北大学, 薬学部, 教授 (80004604)
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研究分担者 |
比佐 博彰 東北大学, 薬学部, 助手 (60192712)
草場 美津江 東北大学, 薬学部, 助手 (50175311)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | カルシウム拮抗薬 / 尿中ナトリウム排泄量 / 糸球体濾過量 / 腎血流量 / TMB-8 / Nifedipine |
研究概要 |
カルシウム拮抗薬の抗高血圧作用機序を検討するために、血圧調節に重要な役割を果たしている腎機能調節因子に対するカルシウム拮抗薬の影響に着目して下記の結果を得た。 1.交感神経系による腎機能調節に対するカルシウム拮抗薬の作用(裏面論文発表済) 腎交感神経活性の上昇による尿中ナトリウム排泄の減少反応に対する、カルシウムチャンネルブロッカーNifedipine(NIF)と細胞内カルシウム放出抑制薬TMB-8(TMB)の作用を検討した。腎交感神経刺激により減少した尿量・尿中ナトリウム排泄量・尿中ナリトウム排泄率は、TMBによって後2者のみ有意に抑制されたが、NIFによっていずれも影響されなかった。以上のことから、尿細管におけるナトリウム再吸収の神経性調節にはTMB感受性の細胞内カルシウム貯蔵部位からのカルシウム放出が関与することが示唆された。 2 腎動脈内高張食塩水により誘起される腎血流量および糸球体濾過量減少反応に対するカルシウム拮抗薬の作用(論文投稿中) 腎機能調節の重要な一機構であるtubuloglomerular feedback(TGF)の調節因子を解析するため腎動脈内高張食塩水負荷によるTGF誘起により生じた腎血流量及び糸球体濾過量の減少反応に対しNIFとTMBの作用を検討した。TGF誘起による腎血流量減少反応はNIFとTMBでそれぞれ抑制され、糸球体濾過量減少反応はNIFでのみ抑制された。また、TGFのmediatorと仮定されているadenosinの腎動脈内持続投与による糸球体濾過量減少反応も、NIFでのみ消失した。以上のことから、TGFに誘起される輸入細動脈の収縮は電位依存性のカルシウムチャンネルを介する細胞内へのカルシウム流入に依存し、輸出細動脈の血管抵抗の上昇にはTMB感受性の細胞内カルシウム貯蔵部位からのカルシウム放出に依存していることが示唆された。
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