研究課題/領域番号 |
04670118
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
佐伯 清美 岡山大学, 医学部, 教授 (10032880)
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研究分担者 |
大石 了三 岡山大学, 医学部, 助教授 (90112325)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ヒスタミンニューロン / 脳虚血 / 海馬錐体細胞 / 遅発性神経細胞壊死 / α-フルオロメチルヒスチジン / (R)α-メチルヒスタミン / H_1受容体拮抗薬 / H_2受容体拮抗薬 |
研究概要 |
申請者らは、ラットの脳動脈閉塞による虚血脳領域で神経性ヒスタミン遊離増加と代謝抑制による細胞外ヒスタミン濃度の著明な上昇が起こることを発見した。さらに、虚血時のヒスタミンニューロン系の活動亢進が脳虚血による海馬CAl領域の錐体細胞の遅発性神経細胞壊死に対して防御的役割を果すことを示唆する成得を得た。そこで本年度はヒスタミンニューロン系のこの防御的機能を証明するための研究を行った。雄ウィスターラットに、両側椎骨動脈を麻酔下に焼灼により閉塞し、翌日両側総頚動脈を10分間閉塞する4血管閉塞法により脳虚血を誘発した。虚血72時間後に、脳を脱血、ホルマリン固定し、ヘマトキシリン・エオシン染色により海馬CAl領域の錐体細胞の遅発性神経細胞壊死を観察した。ヒスチジンデカルボキシラーゼ阻害薬α-フルオロメチルヒスチジンの虚血20分前の投与により、壊死錐体細胞の割合は対照と比較して有意に増加した。H_1受容体拮抗薬メピラミンおよびH_3受容体(ヒスタミン神経線維終末に存在し、ヒスタミン遊離のフィードバック抑制に関与するシナプス前自己受容体)のアゴニストである(R)α-メチルヒスタミンの虚血前20分および虚血後3時間の投与によっても遅発性神経細胞壊死は有意に増悪した。しかし、血液脳関門を容易に通過するH_2受容体拮抗薬ゾランチジンは同様の虚血前および虚血後の投与によって神経細胞壊死に有意の影響を及ぼさなかった。このような成績は、ヒスタミンニューロン系が、脳虚血により惹起される遅発性神経細胞壊死の進展経過において、H_1受容体を介して防御的役割を果すことを示すものと結論した。
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