研究課題/領域番号 |
04670129
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
山本 慧 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50138129)
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研究分担者 |
石原 素子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10203019)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | プロテインキナーゼC / スタウロスポリン / 表皮細胞 / プロテインキナーゼC阻害薬 / 腫瘍プロモーション / オルニチン脱炭酸酵素 |
研究概要 |
スタウロスポリンは最も強力なプロテインキナーゼC阻害薬として知られ、プロテインキナーゼC活性化物質と知られるホルボールエステル(TPA)の作用を抑制することが知られている。TPAは初代培養マウス表皮細胞において3時間をピークにオルニチン脱炭酸酵素(ODC)を誘導する。予想に反しスタウロスポリンはTPAによるODC誘導を抑制しなかった。スタウロスポリンはそれ自身で10時間をピークにODCを誘導した。しかしその誘導された活性はTPAによる誘導に比し低かった。TPAによる誘導もスタウロスポリンによる誘導もプロテインキナーゼCをダウンレギュレートした細胞では認められなかった。もう一つのプロテインキナーゼC阻害薬であるH-7はTPAによるODC誘導もスタウロスポリンによるODC誘導も抑制した。H-7自身、並びにパルミトイルカルニチン(プロテインキナーゼC阻害物質)にはODC誘導作用は見られなかった。スタウロスポリンは無傷表皮細胞におけるTPAによる内因性蛋白のリン酸化を抑制した。一方、シクロオキシゲナーゼ阻害薬のインドメタシンはスタウロスポリンによるODC誘導は抑制したが、TPAによる誘導は抑制しなかった。これらの結果は、スタウロスポリンがプロテインキナーゼC依存性にODC誘導をおこすが、それはスタウロスポリンによるプロテインキナーゼC阻害作用によるものではない事を示唆している。一つの可能性としては、スタウロスポリンはプロテインキナーゼCとは無関係にODC誘導をおこすが、ある種のプロテインキナーゼCがODC誘導にpermissiveに関与していることも考えられる。またこれらの結果はスタウロスポリンとTPAによるODC誘導の機序はそれぞれ異なる事を示している。
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