研究課題/領域番号 |
04670131
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
田中 正敏 久留米大学, 医学部, 教授 (10080954)
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研究分担者 |
田中 隆彦 久留米大学, 医学部, 助手 (20217045)
横尾 秀康 久留米大学, 医学部, 講師 (00174847)
吉田 眞美 久留米大学, 医学部, 助教授 (50148285)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ストレス / ノルアドレナリン放出 / CRF / α-helical CRF / ラット / 脳部位 / 引き金 / 視床下部 |
研究概要 |
ストレス反応の中枢性発現機構を明らかにする目的で、Wistar系雄性ラットを対象にして、CRF(corticotropin releasing factor)を投与した際の脳各部位におけるnoradrenaline(NA)代謝の変化について検討するとともに、拘束ストレスによって生じる脳各部位のNA放出の亢進に対してCRFの拮抗薬であるα-helical CRF(ah-CRF)の脳室投与がどう影響するかを検討した。その結果、CRFの脳室内投与により、視床下部、扁桃核、海馬、青斑核部でNA放出が亢進することが明らかになった。さらに、先端部が半透膜からなるプローブを視床下部に挿入し、同部の微少透析潅流を行い、潅流液中のNA含量を定量したところ、CRFの脳室内投与により、潅流液中のNA含量が有意に増加した。このことからもCRFが、これらの脳部位でNA放出を亢進させることが明らかとなった。さらにラットの側脳室に慢性的に植え込んだカニューレから、ah-CRFもしくはvehicleを脳室内投与し、10分後から50分間の金網による拘束ストレスを負荷し、脳各部位のNA放出について検討した。その結果拘束ストレスにより広汎な脳部位でのNAの放出が亢進したが、CRFの拮抗薬であるah-CRFは、これらのストレスによるNA放出亢進を、視床下部、扁桃核、海馬、青斑核部、中脳、大脳皮質で有意に減弱された。これらの事実から、ストレスによって引き起こされる一連の広汎な脳部位におけるNA放出亢進の引き金機構の一部をCRFが担っていることが示唆された。 さらに、高齢ラットに反復拘束ストレスを負荷すると、ストレスを負荷していない間欠期のときでもNA放出亢進が生じるようになり、それに次のストレス負荷をするとさらに著しいNA放出亢進が生じることが明らかになり、これが高齢ラットの反復ストレスに対する不適応状態の神経化学的特性と考えられた。
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