研究課題/領域番号 |
04670146
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
浦田 芳重 長崎大学, 医学部, 助手 (30185087)
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研究分担者 |
後藤 信治 長崎大学, 医学部, 助手 (50186889)
小池 吉子 長崎大学, 医学部, 助教授 (10039521)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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キーワード | 原発性胆汁性肝硬変症 / ジヒドロリポアミドアセチル転移酵素 / 自己免疫疾患 / 自己抗原 / エピトープ / ELISA |
研究概要 |
中年女性に多発する原発性胆汁性肝硬変症(PBC)は、胆管炎による慢性胆汁うつ滞に始まり、肝硬変に移行する難病である。PBCはミトコンドリアのタンパク質(M2)を自己抗原とする自己免疫症患で、M2抗原の起源はピルビン酸脱水素酵素複合体の中核成分のジヒドロリポアミドアセチル転移酵素(LAT)であることがM2cDNAのクローン化によって判明した。私共が単離し、性質を明らかにし、ヒトM2と一次構造上の高い相同性と患者血清との強い免疫学的効さ性を示すブタLATをモデル抗原として、未解決のエピトープ解析と簡易迅速診断法を計画した。先ずブタLATをトリプシンで限定消化し、配合団のリポ酸を共有結合したリポイルドメイン(37kDa)とコア(28kDa)とにゲルろ過分画し、次に化学修飾後、BrCN分解及び各種プロテアーゼ消化で断片化し、HPLCで分画、精製し、自動エドマン分解法でアミノ酸配列を決定したが、Pro、Ala含有の多い領域と凝集性の高いコアのアミノ酸配列決定は困難であった。そこで生直下ブタ心のmRNAの逆転写で調製したcDNAを鋳型とし、ヒトLATcDNA配列を参考にして合成したオリコヌクレオチドプライマーを用い、LATcDNAを増幅し、その塩基配列をサンガー法で決定した。他方、LATの断片化段階で得られるペプチド断片と患者血清との免疫反応性をドットプロット法で追跡し、リポ酸を結合したLys-46とLys-173を中心とする29アミノ酸残基の反復配列のみが反応することが分かった。両Lys残基の隣のAsp-45とAsp-172のN末側を、Asp-Nエンドペプチダーゼで切断すると反応性が消失した。エピトープの最少アミノ酸残基数を合成品を調製して調査している。それ故、精製LATと複合体を抗原とし、百万倍希釈患者血清を用いるELISA法を考案し、PBCの早期診断への実用化を試みている。
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