研究課題/領域番号 |
04670152
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
川上 潔 (1993) 自治医科大学, 医学部, 助教授 (54191016)
川上 潔 (1992) 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10161283)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ナトリウムポンプ / 筋細胞 / 遺伝子発現制御 / Eボックス / Sp1 / T4DNAポリメラーゼフットプリント法 / DNA湾曲 / Spl / DNaseIフットプリント法 / メチル化干渉法 |
研究概要 |
ナトリウムポンプα2サブユニット遺伝子の筋分化に伴う転写制御機構を知る為に、本遺伝子の転写制御領域をL6筋芽細胞への形質転換法にて同定した。転写開始点の上流-175から-108の間に8〜10倍の転写促進領域を見出した。本領域中には2ヶ所のEボックスとSp1コンセンサス配列及びGGGAGG配列が見出されたので、各部位に特異的な変異を導入し、制御へのかかわりを検討した。その結果、上流のEボックスは負の制御エレメントとして作用し、Sp1コンセンサス配列とGGGAGG配列は正の制御エレメントとして作用することが明らかになった。各エレメントを通して作用する転写因子を同定するために、L6細胞核抽出液を調製し制御領域DNA断片(-175〜-104)をプローブにゲルシフト法,D Nase Iフレットプリント法,メチル干渉法にて結合因子を解析した。その結果、2つのEボックスに結合する因子の存在、及びSp1コンセンサス配列とGGGAGG配列にまたがった広い領域にSp1が結合すること、を見出した。Sp1の結合様式をさらに解析するため、Sp1コンセンサス配列,GGGAGG配列の各々に変異を導入してゲルシフト阻害実験を行うと、結合そのものに変化はなく、親和性が低下することが明らかとなった。さらに、T4DNAポリメラーゼフットプリント法にてSp1の結合領域を解析したところ、3ヶ所の結合部位が見出され、上記の解析で見出した広い領域への結合が3つの結合状態の混合物であることが強く示唆された。このことからSp1結合がKinetic Synergismによって転写促進に作用する可能性が示された。さらに、Sp1の結合がDNAに湾曲を引き起こすことも、湾曲検出ベクターを用いたゲルシフト法によって発見した。このように、ナトリウムポンプα2サブユニット遺伝子の転写制御エレメント及び因子の同定とそのDNA結合様式の詳細な解明を行い、本遺伝子の制御機構の分子レベルの理解に大きな基礎づけができた。
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