研究課題/領域番号 |
04670159
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 鳥取大学 (1993) 福井医科大学 (1992) |
研究代表者 |
箸本 英吉 鳥取大学, 医学部, 教授 (20116239)
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研究分担者 |
田中 幸枝 福井医科大学, 医学部, 教務員 (10197486)
山村 博平 福井医科大学, 医学部, 教授 (90030882)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 細胞周期 / 卵成熟 / 蛋白質燐酸化反応 / 蛋白質燐酸化酵素 / プロテインキナーゼC / カゼインキナーゼII / プロゲステロン / ダウンレギュレーション / 蛋白質分解反応 |
研究概要 |
細胞周期の調節には蛋白質燐酸化反応が深く関わっており、プロテインキナーゼC(Cキナーゼ)の活性化もアフリカツメガエル卵母細胞の成熟を促す因子の一つといわれている。私どもはその反応機構を解析するため本酵素の直接の作用点である基質蛋白質の解析を試みた。その結果偶然にも細胞質画分の分子量25,000蛋白質(25KDa蛋白質)が試験管内における反応において、CキナーゼやカゼインキナーゼIIなど蛋白質セリン/スレオニン燐酸化酵素のよい基質であることが明らかになった。そこでこの蛋白質の構造と機能を解析するためまず精製方法を検討した。本蛋白質が熱安定性であることを利用し、熱処理後の可溶画分を陰イオン交換カラムで精製したところほぼ均一な標品を得ることができた。この標品を基質として解析するとkm値はいずれの酵素を用いた場合も0.5〜1.0μMときわめて低く親和性の高い基質であることが確認された。経時的に燐酸化反応を解析するとどちらの酵素によっても25KDa蛋白質1モルにつき約2モルの燐酸が取り込まれた。Cキナーゼによる燐酸化部位は25KDa蛋白質のN末端に位置する二つのセリン残基であることも示された。またこの蛋白質の細胞内分布を調べると卵黄画分に潜在的に最も高い活性が検出され、界面活性剤を含む緩衡液で抽出することにより初めて検出可能となった。次いで順に細胞質、ミクロゾーム、細胞膜の各画分にも存在が認められた。しかしながら25KDa蛋白質の機能と燐酸化反応の意義は依然として不明であり今後の課題として残されている。その他細胞周期の調節におけるCキナーゼの役割を解明する研究の一環として次の点が明らかにされた。まず、細胞増殖時に認められるH_2AヒストンのN末端セリン残基の燐酸化反応にCキナーゼが関与する可能性があること、さらに抗腫瘍性抗生物質ミトキサントロンの作用点の一つとしてCキナーゼが考えられることなどの点が示された。
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