研究課題/領域番号 |
04670166
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
谷口 武利 高知医科大学, 医学部, 助教授 (90127944)
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研究分担者 |
友田 隆士 高知医科大学, 医科部, 助手 (20207632)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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キーワード | マクロファージ / ポリADPR / HLA‐DR / IFNr / アンチセンスRNA / THP‐1 / TPA / リボーター遺伝子 |
研究概要 |
ヒトマクロファージTHP-1細胞及びヒト子宮頸部癌由来のHeLa細胞をホルボールエステル(TPA)で24時間処理したところTHP-1細胞では本酵素のmRNAレベルが顕著に低下したが、HeLa細胞では、低下しなかった。そこで、両細胞をTPAで処理した後、IFNγ処理を行ったところ、THP-1細胞ではIFNγのみで処理した場合に比べ、HLA-DRαのmRNAが著しく増幅された。ところが、HeLa細胞では、この様な増幅は全く観察されなかった。このことは、TPAあるいは、そのシグナルがHLA-DR gene の調節領域に直接作用したのではなく、本酵素の低下が原因ではないかと考えられる。次に本酵素のアンチセンス発現ベクトルを導入し、本酵素レベルを低下させ、HLA-DRの誘導に及ぼす効果を調べた。アンチセンス発現ベクトルは、全長のアンチセンス(AS-FL)と5'側の0.8kbのアンチセンス(AS-5')の2種を構築し、THP-1細胞に導入した。導入したクローンでは、本酵素の活性はいずれの場合もほぼ90%低下した。そこで、これらのクローンを用いて、IFNγによりHLA-DRを誘導し本酵素の影響を調べたところ本酵素が低下している場合は、いずれの場合もHLA-DRの誘導は促進されていることが判った。以上の結果より、本酵素が低下した場合、MHC class II抗原は誘導されやすくなることが明かとなった。次の課題として本酵素がIFNγ receptorからのシグナルによりMHC class II抗原が誘導されるまでの過程でどこに作用するか検討することにした。ヒトHLA-DRαでは、DNase 1-hypersensitive siteがプロモーター域に1カ所、1stイントロンに2カ所報告されている。マウスI-A遺伝子に関しては報告がないが、ヒトと同様1stイントロンが遺伝子調節に関与する可能性が高いので、プロモーター域のみ及び2ndエキソンで融合蛋白が出来る形とで、cat及びβ-galを用いてreporter geneを構築した。このreporter geneを用いて、本酵素の効果及びIFNγからのシグナル伝達因子の効果につき検討中である。
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