研究課題/領域番号 |
04670170
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
伊藤 誠二 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 副部長 (80201325)
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研究分担者 |
鈴木 正昭 岐阜大学, 工学部, 教授 (90093046)
坂本 和一 大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 研究員 (90235169)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | プロスタグランジンE_2 / プロスタグランジンF_<2α> / プロスタグランジンI_2 / 受容体 / クローニング / G蛋白 / プロスタグランジンF_<2alpha> / 牛副腎髄質 / PCR / 牛卵巣黄体 |
研究概要 |
プロスタグランジン(PG)E┫D12┫D1は血管拡張、免疫抑制、発熱など多彩な生理薬理作用を示し、PGE受容体は全身ほとんどすべての組織で見いだされる。薬理学的にEP1、EP2、EP3の3種のサブタイプに分類され、それぞれイノシトールリン脂質代謝、アデニレートシクラーゼの活性化、その抑制と共役していると考えられていた。PGは炭素数20の不飽和脂肪酸の総称で、PGE_2以外にもPGD_2、PGF_<2α>、PGI_2などが知られており、それぞれに特異的なPG受容体が存在する。しかし、PG受容体を特異的に識別するアゴニスト、アンタゴニストは皆無といってよく、PGの生理薬理作用がどの受容体を介しているのかは必ずしも明確でない。これらの問題を解決するため、PG受容体の同定、cDNAのクローニングとその情報伝達機構の解析を行い、以下の事実を明らかにした。1)PGI_2の安定な光親和性誘導体を有機合成し、PGI_2受容体蛋白を同定した。2)PGE受容体EP1のクローニングに成功し、イノシトールリン脂質代謝を介さない細胞内Ca_<2+>上昇を引き起こすこと、3)ウシ副腎髄質には、4つのEP3受容体アイソフォームがあり、異なるG蛋白を介して、異なる情報伝達系と共役すること、4)ウシ卵巣黄体よりPGF_<2α>受容体のクローニングに成功し、cDNAをトランスフェクトして発現させた培養細胞を用いた実験からG蛋白の1種Gqを介してイノシトールリン脂質代謝と共役すること、5)PGE_2とPGF_<2α>がグルタミン酸を介して痛覚に関与していることを明らかにした。 最近、トロンボキサンA_2受容体をプローブにしてPGE受容体EP1、EP2、EP3サブタイプやPGF2α受容体が相次いでクローニングされている。近い将来、PGE_2やPGF_<2α>などPG分子のどの官能基がPG受容体蛋白を活性化し、そのエフェクターに情報を伝えるのかが明らかにされると期待される。
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