研究課題/領域番号 |
04670172
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
山内 卓 東京都神経科学総合研究所, 遺伝学研究部門, 副参事研究員 (90041813)
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研究分担者 |
杉浦 弘子 東京都神経科学総合研究所, 遺伝学研究部門, 主事研究員 (40162870)
萩原 民雄 東京都神経科学総合研究所, 遺伝学研究部門, 流動研究員 (50228392)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | カルモデュリン依存性プロテインキナーゼ / 変異cDNA / 遺伝子発現 / 蛋白質リン酸化 |
研究概要 |
神経細胞の情報伝達は神経終末から放出される伝達物質が標的細胞の受容体に作用することによって行われる。このようなシナプス活動が神経機能の基礎過程となるものと考えられる。一方アルツハイマー病などの神経難病では神経伝達の効率低下にともなうシナプスの脱落が起るとともに、神経細胞内においていくつかの蛋白質のリン酸化の異常が見出されている。そこで本研究では、現在脳内で知られているプロテインキナーゼの中で最も多量に存在し多彩な作用を示すカルモデュリン依存性プロテインキナーゼII(キナーゼII)の作用を中心に神経組織におけるリン酸化反応の生理的役割を解析した。キナーゼIIのcDNAや変異cDNAを培養神経芽細胞に導入し酵素を発現する安定なクローンを得、解析した結果、神経突起形成が促進され、グロースコーンの運動性が高まることが明らかとなり、シナプス形成などにもキナーゼIIが関与する可能性が見出された。このような形態変化は自己リン酸化によるCa^<2+>非依存性活性が必要であることがわかった。また、キナーゼIIはc-fos遺伝子などImmediately Eary Gene遺伝子の発現を高めることが明らかとなった。さらに、シナプス伝達に重要なシナプス後肥厚(PSD)にはキナーゼIIが10-20%占めており、長期増強などに関与している可能性が考えられているが、この点を明らかにするためPSDキナーゼIIの性質を調べた。その結果、PSDキナーゼIIは細胞質のキナーゼIIと自己リン酸化によるCa^<2+>非依存性活性の発現の点で異っており、これは両酵素のリン化部位のちがいによることが明らかとなった。従ってPSDキナーゼIIはLTPのの誘発と維持に確かに関与するものと考えられた。
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