研究課題/領域番号 |
04670177
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
岡田 保典 金沢大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (00115221)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / 骨吸収 / メタロプロテナーゼ |
研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)においては、関節軟骨の破壊と軟骨下骨の骨吸収により関節破壊は進行する。骨吸収は破骨細胞による酸脱灰と、酸性かつ高カルシウムイオン下でのシステインプロテナーゼによる基質分解が主役を演じると報告されてきた。本研究では、matrix metalloproteinase(MMP)遺伝子ファミリーの一分子種であるMMP-9(92KD_aゼラチナーゼ/IV型コラゲナーゼ)について生化学と形態学的手法を用いて研究し、以下の知見を得た。 1.MMP-1(コラゲナーゼ)、MMP-2(72KD_aゼラチナーゼ)、MMP-3(ストロムライシン)、MMP-9、tissue inhibitar of metalloproteinases-1に対するモノクローナル抗体を用いてRAと正常関節骨組織における免疫組織化学的局在を検討すると、MMP-9が選択的に破骨細胞中に強く局在した。また、cRNAを用いたin situ hybridizationでも、破骨細胞中にMMP-9のmRNA発現が認められた。 2.ヒト骨肉腫細胞(HT1080細胞)株から潜在型MMP-9を精製し、その生化学的特性を検討した。その結果、活性型MMP-9は酸可容性I型コラーゲンのα2鎖を限定分解するのみならず、酸不溶性I型コラーゲンの重合体を分解した。さらに、MMP-9はEDTA脱灰した骨組織中のコラーゲン線維を分解することが電顕的に実証された。MMP-9の至適pHは7.5であるが、pH5.5-6.0の酸性域でも50-80%の活性が保持されていた。また、100mMCa^<++>の存在下でも90%のゼラチン分解活性が認められ、I型コラーゲンの分解活性は50-100mMCa^<++>でかえって亢進した。さらに、潜在型MMP-9をpH2.0で処理した後中性域にもどすと、約15%まで活性化されることが明らかとなった。 以上の所見は、破骨細胞によるRA関節の骨吸収にMMP-9が重要な役割を果すことを新たに示している。
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